ハワイでパパイヤの遺伝子組換え汚染が広がっている

 

新たな研究により世界最初の商業化された遺伝子組換え樹木による遺伝子汚染と地域農業への脅威が広がっていることが判明(http://www.organicconsumers.org/biod/papaya090804.cfm

     

2004年9月9日

Embargo 紙

メラニー・ボンデラ

訳 河田昌東

 

憤慨した農民や消費者、自家用パパイヤ生産者は汚染したパパイヤをダンプ・ヒーローにあるハワイ大学につき返す。今日、自主的な検査結果がでて、オアフ島とビッグアイランド、カウアイ島における世界最初の遺伝子組換えパパイヤによる汚染の拡大が明らかになった。汚染はハワイ大学が商業的に販売した非組換えパパイヤの種子ストックでも見つかった。

 農民と健康専門家、懸念する市民、ハワイ大学の科学者らはハワイ大学で行われたGMOフリー・ハワイ集会で独自に行ったこの調査結果を発表した。このGMパパイヤはハワイ大学が開発したものである。多数の怒った農民、消費者、自家栽培農家が汚染したパパイヤを持参し、大学につき返して大学が汚染パパイヤの除染計画をつくるように要求した。このキャンペーンはまた、地域の生産者の生き残りと他のハワイ産の作物へのGMO汚染を防止する計画の策定を要求した。

 すべてのサンプルはジェネテイックIDにより試験された。これは遺伝子汚染の試験では世界でも指導的な科学試験機関のひとつである。ビッグアイランドとオアフ島のサンプルはどちらもGMO汚染が見つかった。ほぼビッグアイランド全体から集められた20000個のパパイヤの種子のうち汚染は50%に及んだ。これらの種子の80%は有機農家から、残り20%は自家栽培農家から集められたものである。オアフ島のパパイヤは有機農家からのものだったが5%以上に汚染が認められ、カウアイ島のパパイヤからはわずかなレベルの汚染が認められた。ソロ・ワイマナロ・パパイヤの種子のひとつのパッケージは直接ハワイ大学から購入された非遺伝子組換え種のはずだったが、GMO汚染が陽性だった。「ハワイ大学が我々地域農民や生産者に汚染したパパイヤ種子を売るなんてとんでもない。有機農家が遺伝子組換えパパイヤを栽培したら有機農家の証明を失うし、GMOパパイヤ種子も他の遺伝子組換え作物同様モンサント社の特許だ。これは特許料を払わずに農家がパパイヤを栽培すれば裁判にかけられることにつながる。仮に彼らが知らないで栽培したとしてもだ」とビッグアイランドの有機農家でパパイヤ生産者のトイ・ラアチは言った。「このテストはハワイ大学の非組換えパパイヤも汚染していることを示しており、大学がまず農家や消費者、そして環境を保護するためにすぐさま行動を起こすべきであることは疑いない。パパイヤの汚染はGMO汚染が地域農業にもたらす脅威のケーススタデイーだ。伝統農業とGMO作物の共存が不可能なことはいまや明らかだ」とGMOフリー・ハワイのマーク・クエリーは言った。

 農民たちは汚染騒動が輸出市場にもたらす影響、特に輸入GMO作物に厳しい規制のある日本のような国への輸出に対する影響に懸念を表明した。「ビッグアイランドは大半の商業用パパイヤの故郷だ。GMOの栽培が続けばハワイ農業に対し、世界中への輸出市場への不当な悪影響をもたらす危険がある。」と農民でハワイ・遺伝子組換え行動ネットワークのメンバーであるメラニー・ボンデラは言った。

 ローリン・パン(MD.MPH)博士は公衆衛生の専門家だが、GMOパパイヤやその他のGMO食品が抗生物質耐性やアレルギーなど人間の健康に与える潜在的な脅威について語った。「すべてのこうした懸念は心配の種だが、もしGMOが我々の予想を越えて拡散していなければ心配は少ない。だが、今日の報告はまさにそうしたことが起こったことを示している。もしGMO食物に由来する健康問題が起こったら、危険な突然変異はひとたび環境に放出されたらそれを回収することは不可能だ。」とパン博士は言った。

 ハワイ大学マノア熱帯植物・土壌科学部の熱帯作物専門家のヘクター・バレンツエラ博士は、遺伝子組換えを推進しようという大学のねらいはハワイの農業を悪い方向に捻じ曲げている、と主張した。「遺伝子組換えのような不完全な技術を支持する代わりに、ハワイ大学は地域農業の問題解決に実行可能な、非GMOの研究に目標を変えるべきだ。ハワイの農民は農業と長期的な国の農業経済を守ることができる進歩を必要としている」という。

 ボンデラはGMOフリー・ハワイによって行われたこのキャンペーンがこうした汚染の結果をベースに行われたと総括し、「地域の生産者がGMOパパイヤで問題を抱えているにもかかわらず、大学は今、タロイモやパイナップル、バナナ、さとうきび、その他の食用作物の遺伝子組換えを行っている。GMOパパイヤの汚染問題は我々に新しい実験的な遺伝子組換え生物を環境に 放出するには農業バイテクにはまだ多くの未解決の問題があることを示すものだ。ハワイの農民は遺伝子組換え作物の放出を直ちに中止し、大学に地域に根ざした持続可能な農業の研究を行うように求めている」

       

 

 

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