蜂蜜のGM汚染で安全性に疑問

 

ザ・スコッツマン  

2002年9月16日

ゲシン・チェンバレン

訳 山田勝巳

 

遺伝子組み換え成分の食物連鎖への意図せぬ混入を防ぐために導入された予防措置が、GM作物から2マイルかなれた蜂の巣から採取された蜂蜜に汚染が発見されたことでその有効性に疑問が出てきた。

政府は、GMナタネ試験栽培圃場からの汚染防止の隔離距離は、EUが3マイルの緩衝帯を勧告してきたにもかかわらず、50−200mの緩衝帯があれば充分と主張してきていた。

 

昨日、最も近いGM作物試験場から2マイル離れたフィアファのニューポート・オン・テイの蜂の巣から採取された蜂蜜にGM成分が検出されたことが明らかになった。 検査はドイツの独立検査機関Gene Scanが行ったもので、ディビッド・ロルフが所有する農場の蜂の巣で生産した蜂蜜に農薬耐性組み換え遺伝子が微量に検出された。

 

この結果によって、彼はこの蜂蜜を食べることも売ることもできなくなり、がっかりすると同時に腹が立つと話している。昨夜、スコットランド行政府は遺伝子組み換え試験の監督をしている食品基準局と環境解放諮問委員会に対しこの件を至急調べるように求めた。

広報官は「検査結果はまだ見ていないが、事実とすれば極めて重大だ。 食物連鎖に汚染の証拠が見つかれば緊急にACREとFSAで検討しなければならない。」という。

 

ロルフの農場は、世界有数のバイテク企業であるアベンティスが運営するウェスター・フライアトンにあるGM試験場が最も近く2マイルの所だ。 彼は、行政府にこの問題の警告をしたのは2月だったが、大臣達がアベンティスの栽培するGM作物の安全性には満足していると伝えられた。 今回は、まともな検査で安全性が確認されるまで試験は中止すべきだと考えている。

 

行政府への手紙の中で「蜂はナタネが好みで強く惹き付けられている。 私が蜂にそれを避けるようになど言いようがない。 蜂蜜を汚染するだけでなく、この周辺の作物を汚染する仲介役になってしまう。」 と他の作物への交雑の危険性についても強調している。

ロルフの20,000匹の蜂は、毎年200本の蜂蜜を生産する。 これを友人に配っている。 GM汚染という恐れに襲われた他の養蜂家は、自分達の生業が成り立たなくなったと報告している。

 

GM栽培大手の国カナダでは、蜂蜜の売り上げが50%落ちている。 この5月、トニー・ブレアは、反GMキャンペーンが「機会を最大限に利用しようと挑戦するのを妨げる」として非難している。 また、この動きは英国に於ける反科学の流行の一つで政府は「科学への誤った抗議」でひるむことはないと宣言していた。

 

  Gene Scanの検査では、蜂蜜の中にNOSターミネーター(4つある農薬抵抗性組み換え遺伝子のうちの一つ)が微量に検出されており、2回目の検査でこのGM成分はウェスター・フライアトンで栽培されている物に間違いないことを確認している。 これ以前にアベンティスは、12ある試験場で抗生物質遺伝子が微量に検出されたことで規制違反に問われている。

 

 

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