ゴールデンライスはビタミンA欠乏症を防げない:への返答
Ingo Potrykus ( スイス )
抄訳 山田勝巳
ネッスル教授の「ゴールデンライスは、栄養学者による詳しい調査が必要だ」というのには賛成です。
IPR/TPR, MTAの問題を解決するために今年の2月までかかりました。生体利用率と栄養学的研究には圃場試験が欠かせません。そのための資料もIRRI とPhilRiceに揃いましたが、如何せんグリーンピースが野外試験を許しませんので、ここ数年はできません。
しかし、私は“予測できる環境危害”というのには賛成できません。これに関しては、グリ−ンピースや他の方が具体的なゴールデンライスによる環境危害を提示してくださるのを待っています。費用に関しても農民が余分な費用を一銭も払わずに出来ます。また、ゴールデンライスに栄養、健康、社会問題すべての解決を望むというのはフェアではないと思います。我々開発者は、ゴールデンライスは解決の一助として有望だと考えているのであって、問題をすべて解決する技術ではないと思っています。鉄分を増やしたり高品質蛋白の特性を持たせることによって問題解決に貢献したいと願っているのです。
ビタミンAの生体利用率が10%以下とありますが、私は、控えめにみて3倍の濃度があると思っていますが、別の科学的議論では6倍となっています。ですから一日にとるゴールデンライスの量は a)450g, b)225g, c)150/日になるでしょう。 栄養学専門家による“詳しい調査”をするためには、判断材料を出さなければならないということがお分かり頂けると思います