GMタバコ販売中

 

共同通信

2003年1月27日

エミリー・P・ダレシオ

訳 山田勝巳

 

ニコチンを減らしたベクタータバコが販売中

 

喫煙の中毒性を最初に認めたタバコ企業のCEO(社長)が、喫煙者がニコチン量を選べる遺伝子組み換えされたタバコを奨めている。 ベクタータバコ社は、クエスト(Quest)タバコをFDAの規制により喫煙が止められるとまでは言わずに販売している。しかし、このタバコは、タバコの中毒性であるニコチンを減らせるようにしている。

 

「このタバコは、身体にニコチンゼロ環境を作ることが可能で、その後はどうするか本人が決めることだ」とベクターグループを経営するベネット・ルボーは話す。 クエストには1500万ドルの広告を張る。 また、デューク大学には、クエストが喫煙者のニコチン摂取量や渇望に対してどういう影響があるか研究する費用を出している。

 

ルボーのメベーンに本拠を置くタバコ会社リゲット・グループは、巨大タバコ企業と袂を分かち、1996年にタバコ関連訴訟を決着させた。 喫煙が重大な健康問題を起こすことを認めたのだ。

 

クエストが禁煙グッズであると言わない限り、2000年の最高裁判決によると、禁煙グッズに求められる周到な検査をしないで販売しても、FDAがこの製品の販売を規制してはならないとある。

 

クエストのニコチン量は少ないと言うけれど発がん性の疑われる一酸化炭素その他の化学物質を減らすとはいっていない。 喫煙は、心臓病、膿胸、先天性異常も疑われている。

 

タバコメーカーは『ライト』という言葉を宣伝に使っていることでも集団訴訟があり、イリノイでは、マルボロライトとケンブリッジライトが誤解を招くと訴えられている。 タバコメーカーは「ライト」が、害が少ないと思わせようという意図はないと言っている。

 

それに対しクエストは、ニコチン量を選べるようにするという別の方法を取っている。クエスト1は一般のライトよりも17%、クエスト2は58%、クエスト3は事実上ゼロニコチンだと言っている。

 

デューク大学のジェッド・ローズ博士は、クエストとニコチンパッチを使って研究しており、被験者がニコチン摂取量を減らせてはいるもののクエスト3でも6週間以内に止められる人はいないと言っている。

 

クエストの販売は、ベクタータバコが2001年に販売開始したニコチン量は変わらないが発がん物質を減らしたオムニ煙草は失敗している。

ルボーによると、オムニがガンのリスクを減らせることを証明する研究を進めており、その結果や消費者の受入れ状況によっては、ベクターが発ガン物質を減らしてニコチンのない煙草を販売する日が来るかもしれないという。

 

クエストを販売している7州は、ニューヨーク、ニュージャージー、ペンシルベニア、オハイオ、インディアナ、イリノイ、ミシガンだと言う。

 

 

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