GM作物は周辺の動植物生態系に有害、と試験栽培が証明か

 

ザ・インデペンデント(UK)

2003年8月2日

マリー・ウルフ(政策主任)

訳 河田昌東

 

GM作物はさとうきび、トウモロコシ、ナタネなどの在来種と比べて周辺の動植物生態系により大きなダメージを与える、と政府の栽培試験が示している。この実験はGMの環境に対する影響は在来種と同じだとする説をひっくり返した。特に、昆虫や雑草、潅木への影響は在来種と顕著に異なることが分かった、という結果が明らかになった。

GM推進派はこれまでGM作物が農村に影響を与えることはない、と主張してきた。しかし、この試験栽培を行った筋の情報では、結果は今専門家による評価の途中だが、GMに関するこれまでの「無意味な仮説」は間違っていることを示している、という。

試験栽培した3種類のGMトウモロコシ、ナタネ、テンサイは全てその近くに植えられた在来種とは異なる振る舞いをした。あるものは在来種よりも多くの昆虫や雑草を破壊した。ある作物、多分GMトウモロコシ、は予想外の共通の「雑草」をよりたくさん殺した。

この試験栽培に近い上層部は言った「これまでの仮説は間違っている。そのことが試験栽培ではっきりと分かった。GM作物と在来種では影響に違いがある、ということが一致した結果だ」。この3種類のGM作物は英国内の数百箇所で、農場規模で試験栽培されてきた。

政府はこれらの試験栽培の結果を基に、英国内でGM作物の商業栽培を認めるかどうか決定しなければならない。

政府の専門家は、大臣がGM作物の栽培を異種類だけ、恐らくトウモロコシ、の栽培認可に青信号を出し、自分達が反GMでないという信号をアメリカに送るだろう。しかし、他の2種類のGM品種は環境にダメージを与える、という理由で認可を拒否するだろう、と信じている。この秘密の試験栽培結果は、政府の環境汚染の専門家委員会に送られ、科学者達のチェックを受ける。

 

バイテク企業は罰則の逃れられるようになっている法律の抜け穴によって、これまで「汚染のライセンス」を与えられてきた。と批判派は言う。GM作物の栽培に関する法律は、それら企業が組み換え遺伝子を環境中に「故意に」放出しない限り罰金や収監を免れることが出来るようにしてきた。その逃げ口上は環境保護活動家らに伝わってきて、彼らは規制が英国中の野生生物にGMが広がるのを止めるには規制が全く不十分だ、と言っている。1990年の環境保護法は、意図的でなかったら農家が在来種をGMで汚染し、GMの雑種を作っても有罪にはならないことを意味している。 彼らはGM遺伝子が逃げだすのを防ぐために「十分注意していれば」(例え汚染を生じても)罪にならない。

 

 

 

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