GM種子メーカーの独占禁止法裁判
ACRES USA
2003年11月号
訳 山田勝巳
セントルイスの連邦地裁判事は、モンサントなどの種子大手企業に対する独占禁止裁判の継続を認めた。この告訴では、これら企業が遺伝子組み換え作物で世界市場を支配しようとしていると訴えている。
9月19日の判決ではロドニー・W・シッペル裁判官は、世界的遺伝子組み換え作物の反対によって莫大な損失を被ったとする農家団体が1999年に起こした集団訴訟で一部を棄却したものの、独占禁止に関する部分の決定は、現在世界最大の種子メーカーが世界中で1億エーカー以上作付けされているGM種子の価格を固定して市場を支配しようとしたのかどうか激しい論戦が見込まれる歴史的舞台を与えた事になる。
モンサントと同じ被告席に立つのはベイヤー、シンジェンタ、そして世界最大手の種子メーカー、パイオニア。モンサントは、記者団に語ったところでは、在来種を使った農民が組み換え作物で損害が受けたという案件が棄却されたので、独占禁止の部分も棄却するよう働きかけたが、いずれにしても訴訟の焦点が絞られたのには満足しているという。 独占禁止に詳しい専門家は、裁判論戦は激しいものになると見ている。