遺伝子操作された食品は危険?

http://www.organicconsumers.org/ge/110705ge.htm

 

 

アショック ビ シャーマ

ファイナンシャル エクスプレス

2005117

訳 高岡芳江

 

遺伝子組み換え生物から発生した食品、いわゆるGM食品を承認するか否かについて世界中で討論が巻き起こっている。  

遺伝子組換え技術の主張者達はGM作物が環境を破壊するという実体も、GM食品が人体や動物の健康に害を与えるということも確かな根拠がないと述べている。ある者はGM作物と食品は彼らの言う「それに大体同等な通常の食品」と同様に安全であり、検査する必要もないとさえ述べ、 論理的で科学的な議論をする評論家を「妨害者」と非難している。優秀な栄養専門家であり、国際的に有名な毒物学者であるアルパッド・プズタイ博士は安全面の研究がないため、根拠の欠如を安全性への立証として解釈することはできないと述べ、盲目な遺伝子組換え技術支援者のそのような議論を退ける者である。

さらに、プズタイ博士は「最近研究誌に掲載された数少ない緻密なデザインの研究は、将来的に心配なGM食品の生物学的影響を顕わにしているのに、規制担当者はそれを無視している」と言っている。

たまたま土曜日、プズタイ博士は科学者集団に講演するためデリーにいた。2000年度の「サイエンス」誌に掲載された最近のウルファンバーガー氏とファイファー氏による書評はGM作物の環境安全性に密接に関係する問題がいまだに問われないままであり、ましてや研究など問題外だと結論付けていることをプズタイ博士は講演中に公表した。

健康安全事項に関して、学術関係者による審査を経た論文(ピアレビュー論文)は現在たったの19個だとプズタイ博士は述べた。ヒトの臨床実験は一事例のみで、現在ほんの少し動物実験が行われているだけである。プズタイ博士は関連産業や規制担当者の好む「安全評価」は「実質的に同等」の意味合いを乏しく解釈し、合法的でないその概念に基づいていると強く主張した。「そのような状況下ではGM食品が安全であると結論づけるのは難しい」とプズタイ博士は釘付けになっている聴講者に話した。

「実質的に同等」とは致命的なミスがあり、この概念をもとにした規制はカナダ人の健康を損なうもとであるとカナダ王立協会の記事に書かれていることをプズタイ博士は食品の安全性に関心が高まっていることを言及しつつ述べた。英国医師会も健康面の安全性を判断するには「証拠不十分」であると述べていた。

リスクアセスメント(危害評価)の欠陥を指摘しながら、プズタイ博士は動物とヒトを対象に、消化管に注目した実験をもっと進めるべきだと提唱した。初のGM作物、FLAVR-SAVR(フレイヴァ−セイヴァ:訳注 日持ちのする)トマト実験は40匹のネズミのうち7匹が壊死のために2週間以内に死んだと明かした。ヒトに関しては、主に年配の人々や非ステロイド性抗炎症剤を投与している患者において腺胃病変が生命に危険な出血を引き起こすようだとプズタイ博士は語った。

ネズミの回腸表面細胞の破損、多核化、膨張と退化の増加の原因をみるのにフェアス氏とエル・セイド氏のBtポテト実験結果をプズタイ博士は参考にしている。エウィン博士と共にプズタイ博士が行った研究で、GMポテトを餌に与えられたネズミは胃と腸で増殖性成長を誘発し、また、リンパ球浸潤がみられた。

最後にプズタイ博士はGM食品の認可がおりる前に、その影響を徹底して調べるリサーチがもっとされるべきだと強調した。世間は賢く彼の忠告に従ってくれることを望む。

 

 

 

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