BBCニュース
2002年9月17日
訳 中田みち
GM作物のレポートは「ダイナマイト」
1999年以来、GM作物のためにアメリカ経済にかかった費用が80億ドルであったとするレポートは、スコットランドでは「環境ダイナマイト」とよばれた。土壌協会はGM大豆、とうもろこし、菜種のために、アメリカ経済は農業補助金、作物の価格低下、大口輸出注文の減少、返品などに120億ドルもの費用を費やしたと見積もっている。スコットランド民族党の環境スポークスマンであるブルース・クロフォードは、このレポートを「環境ダイナマイト」と呼び、スコットランドでのGM作物の試験栽培に即刻モラトリアムを設けることを要求した。
しかし同時に、アメリカの食料農業政策センター(the National Centre for Food and
Agricultural Policy: NCFAP)によるもうひとつのレポートによると、アメリカ市場における6つのGM作物により、2001年に農業収入が9億7300万ドル増加したという。GM作物によって同じ面積で180万トンの食料、繊維質が増産され、殺虫剤の使用量は21000トン減少した。
スコットランド議会の厚生委員会はGM作物の人間への影響を調査する予定だ。スコットランド議会の「グリーンメンバー」であるロビン・ハーパーは土壌協会のレポートに言及し、「もしスコットランド政府がこの警告を無視したら、スコットランドの農民が苦しむことになるかもしれない。今こそスコットランド政府は、その肩にかかっているスコットランドの農業の繁栄に対する責任をきちんと全うし、イングランドで行われていることに弱々しく従うことをやめるべきだ。」と言う。スコットランドでの最終段階の栽培試験に対する承認は、この秋に行われたばかりだ。アバーデイーンシャー州デビオットとフィーフェのニューポート・オン・テイで行われる新たな栽培試験は、先月前回の栽培試験で二次汚染が起こっていたことを認めたアヴェンティス社によって行われる。