遺伝子組換え作物がルーマニアで制御不能に
http://www.commondreams.org/news2005/1010-01.htm
2005年10月10日
コモン・ドリームズ
ルーマニ・ブカレスト発
訳 河田昌東
大量の遺伝子組換え作物が違法に栽培され、農民とルーマニアの経済を脅かしている。今日、ブカレストで開かれたグリーンピースの記者会見で、ルーマニアのモンサント前支配人が、ルーマニア政府は同国の遺伝子組換え作物の支配を完全に失っている、と警告した。
ルーマニアにおける調査旅行で、グリーンピースはルーマニアにある42の州全てで違法なGM大豆を栽培していることを発見した。グリーンピースの報告によれば、ルーマニア当局は状況の制御が出来ない状態にある。ルーマニアは将来EUに加盟する予定だが、ヨーロッパで唯一ラウンドアップ耐性大豆の栽培を認めている国である。同国はヨーロッパで最大の組換え作物栽培面積を有し、2005年には14万ヘクタールの大豆畑の約半分を遺伝子組換えだと登録されている。しかし、農業団体の代表だけでなくモンサントの前ルーマニア支配人でさえも、同国の大豆の90%は遺伝子組換えだと言う。問題の核心は、遺伝子組換え作物が在来農法の栽培を汚染し、違法にGM大豆の種子を売っている事である。
グリーンピースの中部−東ヨーロッパ広報担当(ルーマニア在住)のガブリエル・パウンによれば、「過去数ヶ月間に我々はGMポテト、GMプラムを発見した。そして今はGM大豆の商業栽培さえも違法に行われていることが判明した。次は何だろう? ルーマニア政府は直ちに行動を起こし、事態のコントロールを取り戻さなければならない」という。 前ルーマニアのモンサント支配人、ドラゴス・ヂマ氏はその脅威に同意する。記者会見の席で彼は「そうした大規模の未確認GM大豆は、モニターやコントロール・システムがなく、許容できない。 私はルーマニアにGMテクノロジーを導入することに関して懸念を表明し、会社を辞めた。私はルーマニアだけでなくモンサントもGMテクノロジーの監視もコントロールも出来ないと信ずる。 不幸にして、会社は私の懸念に耳を貸さず、今日の状況はGM技術の完全な支配不能状態を示している。」 ヂマ氏は1998年にモンサントを辞職し、GM大豆は1999年にルーマニアに導入された。「モンサントは知っていながらコントロール不能状態につながる技術をルーマニアに導入した。ルーマニアの農家と食品企業は経済的な影響を被るに違いない」とパウンは言った。
1996年に導入開始以来、GM作物は食品や飼料、種子と世界中の環境権を汚染してきた。全世界では不法で表示のないGM汚染は、5つの大陸の27カ国で100例以上も登録されている。そして、これらは単に報告された事例に過ぎないのである。
より詳しい情報は次のホームページを参照。
www.gmocontaminationregister.org
CONTACT: Greenpeace
Gabriel Paun, Greenpeace CEE campaigner in Romania, phone: +40 744 351977
Anamaria Bogdan, Greenpeace CEE Media in Romania, phone: +40 0721 632396
Susanne Fromwald, Greenpeace CEE scientist in Austria, +phone: +43 664
6126706
編集者へのノート:
(1)「ルーマニアにおける汚染と不法なGM大豆の栽培について」というルーマニア語の報告は、2005年8月のグリーンピースの発見に基づいている。同報告書にある分析は、オーストラリア、ウイーンにあるUmweltbundesamt
社という独立した、EUの承認を受けたPCR実験室で行われた。
(2)もし、彼らがラウンドアップ耐性大豆の栽培をしたいと思えば、当局に届け出るだけで良い。
違法だとみなされるのは登録しなかった時だけである。