GM汚染種子を禁止せよとEU市民が要求

 

 2002年10月14日

 SOS(Save Our Seeds)セーブ・アワ・シーズ、プレス・リリース

 抄訳 山田勝巳

 

EU委員会と農業大臣らにGM作物でヨーロッパを汚染する許可を与えるなと要求

 

  ルクセンブルグ発  ヨーロッパの300以上、2500万人以上の会員を持つ環境、農民、消費者団体の代表が、新しいEU指針で、どんな値のGM汚染も許すのではなく、ヨーロッパで販売されたり植えられる種子の純度を保証するよう求める「SOS我々の種子を守れ」と題した要請書をEU委員のフランズ・フィシュラー(農業)とディビッド・バーン(消費者保護)に手渡した。

 

  この集団は、もし種子指針がEU委員会が現在提案している内容(表示無しで一般種子の0.3−0.7%にGMを認める)で通過すると、ヨーロッパの圃場でGM作物の大規模栽培を招くことになると警告した。 約70億粒のGM種子が毎年農民によって全く知らぬ間に望みもしないのに播かれることになる。

 

  「これまでGM産品を一人も納得させられなかったGM企業にたいし、EU委員会はヨーロッパの農業を汚染するライセンスを与えようとしている。 これは、食べ物や種子にGMを拒否している70%の消費者と農民に平手打ちを食らわせるようなものだ。 GM企業数社のために、農家、食品加工業者、小売り業者に何百万ユーロものコストを負わせるものだ。」と、要請組織者の一人ベネディクト・ヘーリンは言う。

 

  広範に影響を及ぼすにも関わらず、 種子指針はEU議会ではなく、未だに小さなEUの種子専門家による委員会が日常的手続き上のこととしてのみ扱われている。農業大臣や欧州議会が、提出された指針の広範な影響について気付いたのはつい最近のことのようである。 委員会は、これまでの所指針を更新すると約束したが、種子汚染の閾値を下げることは否定した。 これだと、グリーンピースのロレンゾ・コンソリが言うように、「裏口経由でGMOをヨーロッパの農場に溢れさせることになる。」

 

  EU科学諮問委員会は、もし種子指針が原案通り通過したとすれば、食品と飼料の遺伝子汚染は有意に増加し表示義務の1%閾値弱位になるだろうと見積もっている。しかし、しっかりしたデータがないので信頼性のある予測は出来ないが、場合によっては1%の閾値を上回ることもあると専門家は認めている。 欧州議会が新たに提案している食品と飼料の0.5%の閾値では、種子汚染のレベルがこのレベルでは、到底食品と飼料の閾値も守れないのは明らかだ。

 

  「自分の作るものがどんなものか、何を作るかを決めるのは農家の権利だ。 非GMのものを届けられなくなったら誰がその損失を払うのか。 非GMを証明するために必要な対策費、検査費、保険を誰が払うのか。」とヨーロッパ家族農業協会のアロワ・マークは話す。

 

  GM業界と欧州種子業界の代表者は、汚染は不可避だとして更に汚染許容値を上げるように要求している。 しかし、EUが検査した範囲では、汚染はまだ最小限に留められており、種子汚染防止はアメリカでさえもまだ可能だ。

 

 

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