EUが、GMの高い追加コストを示す研究を隠蔽し、有機を脅かす

 

グリーンピース 

2002年5月16日

訳 山田勝巳

 

ヨーロッパでGM作物が商業用に大規模に栽培された場合、全農民は追加コストを出費し、場合によっては経営が成り立たないほどの生産コストが掛かると書かれたEUの極秘研究がグリーンピースに漏れた。 この研究では、特にナタネの有機農家や、慣行栽培のメイズ(コーン)集中生産が危機的影響を受けると予測している。

 

EU委員会はGMと非GM作物が共存できるかという研究を2000年5月にEU共同研究センターの未来技術研究所( the Institute for Prospective Technological Studies)に発注した。

 

「ヨーロッパ委員会はこの研究を秘密にしようとしていた。」とグリーンピースEU政策顧問のロレンゾ・コンソリはいう。「政治的な影響を懸念した為だが、問題は、GMの大規模商業栽培が、全ての農民に追加コストを余儀なくさせ、大手種苗会社に依存させ、汚染を防ぐために費用がかさむ手間の掛かる対策を必要とするのに、そもそもどうしてGM栽培を受け入れなければならないのかということだ。」  

 

このEUの研究によると、ナタネ生産では、共存が技術的に可能であっても、遺伝子汚染を防ぐための追加コストと複雑な生産方法の変更のため経済的には不可能だという。  有機農家も慣行農家も、圃場で汚染されるため種子の遺伝子純度が脅かされるので、「自家採種を止め、証明された種子を買わせられる羽目になるだろう。」 小さな農家が大規模農家よりもコストが嵩み、GMと非GMを同じ農場で栽培することは、「大規模農家でも、現実的ではない」と報告している。

 

報告の主な結論:

商業栽培のGMナタネとメイズは、慣行及び有機農家出し価格で10−41%の増加、ジャガイモで1−9%の増加になる。

 

GM農業と有機農業の共存は、ほとんどの場合現実的に不可能。

 

通常、共存するには、農作業のやり方を大幅に変えないと不可能で、特に慣行農家にとっては難しい。 地域農民の積極的参加と農民同士の協力が必要で、この変更を誰がやるのか、正しく実施されたかどうかを誰が管理するのか、費用を誰が持つのかがはっきりしていない。

 

種子や作物の純度は、0.1%の検出限界では、殆どの場合現実には維持できない、つまり、ナタネやメイズの製品や種子はある程度の汚染は免れない。

 

この研究は、コンピューターモデルと専門家の意見を合わせたもので、GM作物のシェアが増えたときの影響を分析している。 現在作付け出来る種子用ナタネ生産、飼料用メイズ生産、食用ジャガイモの3作物品種を調べている。 遺伝子汚染に関しては、検出限界閾値を3段階;0.1%(分析レベル)を全作物に、0.3%をナタネに、1%をメイズとジャガイモに。

 

詳しい内容の問い合わせ:

Lorenzo Consoli, Greenpeace EU Advisor on GMO, mobile: +32496122112; Teresa

Merilainen, Greenpeace International Press Office, Tel: +31205236637

 

この研究のまとめと結論は、グリーンピース・ヨーロッパ・ユニットから入手可:

Lorenzo Consoli, mobile: +32496122112

 

 

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