GMに関する世界ルールの合意

 

2004年2月27日

訳 山田勝巳

 

地球の友は、本日のクアラルンプールでのバイオセーフティ議定書の合意を受けて、厳格なGM賠償法を英国で作るよう新たに要求した。

 

英国政府は、GMトウモロコシの商業認可を含めたGM政策をまもなく発表する予定だが、バイオセーフティ議定書の参加国としてその国際合意に束縛される。これによって、議定書により GM種子の国際取引の規制枠が出来GMで汚染された種子の英国への輸入にも影響が出る。

 

地球の友のGMキャンペーン担当クレア・オックスボローは、「これは、GMに関する国際的責任について前進したといえる。ヨーロッパがこれを機会に遺伝子汚染を防ぐ包括的な法的枠組みを作る事を期待している。これは緊急を要する。特に、GM汚染によって起こる損害の汚染者賠償責任の規則がないので。」と語った。

 

クアラルンプール決定の大きな3点:

 

賠償責任(Liability)

 GMによる損害に対する国際的賠償制度はありませんが、2007年までに国際的賠償と救済手続き及び規制を完成する為の明確な責務を負った作業グループが設置された。アメリカは強硬にこの文書に反対したが、協定国ではないため議長によって取り上げられなかった。

 

履行責任(Compliance)

 重要な履行義務が合意された。15名からなる履行委員会が設置され即時実行になる。自己申告だけでなく第三者が不履行を訴えられるようになった。不履行に対する対応として純粋に対応力のない国に対して助成すると共に警告と公表ができる。執拗な違反者には、更なる対策を今後の会議での合意に基づいて実施する事が出来る。

 

分別(Identification)

 GMの分別規則を作って実施するのはバイテク業界のロビーイストには嬉しくない事だ。同様の国際穀物取引連盟は、抜け穴を作ろうと圧力をかけていたが、EU、インド、中国が強い規制を選んだ為、輸入国はどのようなGMであるのか正確な詳しい情報を要求できるようになり、それがなければ拒否する事が出来るようになった。これによって現行の貿易慣行の多くを改善できる。

 

 英国政府は、政府のGM政策諮問委員会AEBCからの共存と賠償責任に関する報告を受けて、まもなくGM政策を発表する。その後GMと非GMの共存の為の公聴会を開く予定である。GM汚染が発生するのを防ぐ賠償と対策の法的枠組みの不十分な点を対策する為の個人会員法(Private Member's Bill)を提出している。

 

 地球の友インターナショナルのGMキャンペーン担当フアン・ロペス・ビヤ−はクアラルンプールで以下の声明を出した。「バイオセーフティを擁護する政府が、非遺伝子組み換え作物や食品を選ぼうとする消費者や農民、市民の権利を奪おうとするアメリカとその連合の企てを封じ込めた。GMOは、世界中の環境と人々の健康と生活を脅かすもの。我々は、GMの害に対しそれを起こすバイテク企業に賠償させる方向に歩き出した。」

 

More information on GM crops is available at www.foei.org

 

 

 

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