遺伝子組換え小麦の認可で複数の脅威が発生と報告書が公表
グリーンピースが遺伝子組換え小麦のリスクを議論、モンサントに迫る
2002年11月20日
カナダ・ニュースワイヤ
訳 河田昌東
もし遺伝子組換え小麦が認可されれば、カナダの小麦生産者は計り知れない市場喪失と農場マネージメントの問題で被害をこうむるだろう、という新たな報告書が今日グリーンピースから公表された。これは遺伝子組換え小麦が北アメリカの農民に与える脅威についてこれまでに行われた最も包括的な調査である。この報告書は遺伝子組換え小麦の導入を阻止し、カナダの農民と一般の人々にカナダでの栽培を認可しないことを保証するよう請願をつけて、カナダ政府に送られた。
この調査は懸念される主な6項目について述べている。
1)カナダとアメリカの輸出市場を失う。
2)分別流通の問題と圃場と食品への汚染が避けがたいこと。
3)カナダの小麦品種の登録システム弱体化とカナダの小麦品質の名声への悪影響。
4)主張される利益は作物管理の困難をカバーできない。
5)今より農薬の量も毒性の強い農薬の使用も増加する可能性。
6)規制の欠陥により遺伝子組換え小麦の認可は人間と環境への安全性を保証しない。
「遺伝子組換え小麦が小麦供給システムと環境を汚染しないように保証するいかなる効果的かつ経済的なシステムもカナダは提供出来ないだろう。汚染は経済的にも人間と環境の影響にも極めて大きい影響がある」と食品政策コンサルタントで同報告書の主著者であるロッド・マックレ博士は言った。「問題は、遺伝子組換え小麦が密かに認可されそうだと状況が我々に警告を発していることだ。政府もモンサントも状況をきちんと公表しない。モンサントのスポークスマンは、先週、自分達はオープンで誠実だ、と言った。もしその通りならモンサントは我々とそのリスクについて討論すべきだ」と同じく共著者のグリーンピース・カナダのホリー・ペンファウンドは言った。
第三者の団体が公開討論の準備をしたが実現しなかった。「モンサントもカナダ政府もカナダ農民の生活と主要な輸出品が危険にさらされていることを自覚していないようだ。もし彼らが本当にオープンで誠実でありたいなら、心配している農民達に申請の状況を知らせ、このあいまいな脅威を終わらせるべきだ」とサスカチュワン有機デイレクトレートのマーク・ロイゼルは言った。この団体は遺伝子組換え小麦の認可差し止め裁判を起こしている。サスカチュワン有機デイレクトレートはカナダで積極的に遺伝子組換え小麦の認可に反対してきた農民団体の一つである。他のグループにはカナダ小麦委員会、全国農民組合、合衆国に本拠を置く「農民から農民へキャンペーン」、マニトバ原理農業生産者、サスカチュワン市町村協会などがある。