水槽にGM魚輝く

 

BBCオンラインニュース編集長

デヴィッド・ホワイトハウス

訳 道長

 

台湾の業者、闇に輝くGM魚を開発

タイコン社は、クラゲから取り出したDNAをゼブラフィッシュに入れ、黄緑色に光らせた。

GM動物は実験室や羊のミルクから有用なタンパク質をつくるのによく使われるが、この『ナイトパール』というゼブラフィッシュは、一般市場向けとしてははじめての遺伝子組み換え魚だ。こういった動物は、ある者にとっては、魅力的な珍品であるかもしれない。だが一方では、趨勢に対する、遺伝子操作された『フランケン・ペット』による脅威さえ起こしかねない。

 

 タイコン社によれば、英国のアクア産業は十分な価値があり、得られる利益は大きいとのことである。

 

安全で不妊

 TK−1と名付けられたこのGM魚は、安全で不妊、そして組み込まれた発光遺伝子は無害である、とタイコン社は主張。この魚がベールを脱いだのは02年だが、不妊を付け加えるための技術を開発するのに、さらに1年半が費やされており、野生魚との交雑の可能性はない。TK−1は、国立台湾大学のHJツァイの研究成果を使って開発された。

 

 タイコン社はまず、1匹17ドル(米国ドル)でこの魚を3万匹販売し、3ヶ月以内に10万匹以上の生産に引き上げる計画である。しかしながら、誰もがそれに熱を上げているというわけではない。アクア産業の専門家筋では、TK−1が英国へのたくさんのGMペットの第一号となるのだろうかと懸念している。特に、冷水耐性に遺伝子操作された熱帯魚が、逃げて英国の河川に潜入するようなことになれば、現生態系を混乱させてしまうだろう。

 

 『現代愛魚家』誌のデレック・ランバート氏によると、GMピラニアは英国の河川で生き残り、大きな問題を引き起こすだろう。貿易業者に対し、TK−1をボイコットするよう、強く勧告している。水生鑑賞貿易協会(AOTA)のキース・ダベンポート氏は、遺伝子による干渉は不必要であり、動物がファッションのアクセサリーにされることを、望む者はいない、とコメントしている。

 

 

 

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