European Journal of Histochemistry
2004; vol. 48 issue 4 (Oct-Dec)p449-454
訳 河田昌東
遺伝子組換え大豆を食べさせたマウスの精巣の超微細構造の分析
L. Vecchio,1* B.
Cisterna,1 M.
Malatesta,2 T.E.
Martin,3 M.
Biggiogera1
1Laboratorio di Biologia Cellulare e Neurobiologia,
Dipartimento di Biologia Animale, University of Pavia and Istituto di Genetica
Molecolare del CNR, Pavia, Italy; 2Istituto di Istologia ed Analisi di Laboratorio, University
of Urbino “Carlo Bo”, Urbino, Italy; 3Department of Molecular Genetics and Cell Biology,
University of Chicago, IL, USA
*Present address: Centre of Electron
Microscopy, Unversity of Lausanne, Switzerland
要旨
我々は遺伝子組換え大豆(訳注:ラウンドアップ耐性)を含む餌のマウス精巣に与える影響を考察した。精巣は実際、良く知られたバイオ指標であり、例えば重金属汚染のモニターにも利用されている。この予備的な研究で、我々は免疫電子顕微鏡により、精巣のセルトリ細胞、精原細胞、精母細胞に与える影響に焦点を絞って観察した。
我々の実験結果では、GM大豆を食べさせたマウスでは2ヶ月から5ヶ月にかけてSm抗原、hnRNPs, SC35 そしてRNAポリメラーゼUなどが減少し、8ヶ月で正常に回復した。GM大豆を食べさせたマウスでは、実験したすべての期間で、対照(非組換え飼料)と比べて、ペリクロマチン顆粒の数が増加し、核孔の密度が低下した。さらに、GM大豆を食べたマウスのセルトリ細胞では滑面小胞体(smooth endoplasmic reticulum)の肥大が観察された。除草剤耐性大豆に残留する除草剤の関与の可能性について考察した。