合衆国の2003年度GMコーンの作付けは予想より低下
クロップチョイス・ニュース
2003年5月7日
訳 河田昌東
以下はアメリカ・コーン生産者財団の新聞発表による。
最近完了したアメリカ・コーン生産者財団(ACGF)による全国のコーン生産者調査は、4月になり生産者がコーンの作付けを開始したことに伴い実施されたものだが、それによると合衆国のコーン生産者は今年度全コーン作付けのうち34%をGMコーンにする予定であることが分かった。
農務省の3月の調査では38%だったが、それより4%少ない。勿論どちらにも調査の誤差はあるが。ACGFの調査は、南ダコタ州シオクス・フォールズのロビンソン・アンド・ムエンスター社が2003年4月17日に完了し、2003年度予想されるアメリカの全コーン作付けの86%を占める14の主なコーン生産州の511名のコーン農家に対して行われた。ACGFによりランダムに選ばれた科学的調査は95%信頼度で±4.4%の誤差がある。さらに完全な調査データはACGFのウエブ・サイトhttp://www.acgf.org
.acgf.org.に載せる。
「調査したコーン農家は、2003年度は210039エーカーのコーンを植えるが、これは2002年度の207060エーカーと比べれば1.4%の増加だ。農家はコーンの34%しかGMOにしないし、53%はGMOコーンもGMO大豆も最大の輸出業者による排除で低価格化しているのを知っている。」とファーマー・チョイスという消費者情報プログラムのデイレクター、ダン・マクガイヤは言う。
「コーン農家の69%はGMOにするかどうかを決めるに当たって、アメリカの消費者や海外の市場の懸念を考慮すると言っている。80%は、もし消費者や海外市場が在来種の非GMOコーンのままでよいと言うなら、そうする意思がある、と言っている」とマクガイアは報告している。「この結果はアメリカの農家が、GMOがコーンの輸出を犠牲にしているかどうか気にしていることを示している。これは韓国のシンハン製粉会社の社長が03年5月2日にワシントンでの記者会見で、バイテク・コーンのせいで韓国がアメリカからのコーン購入をやめ、中国とブラジルから買うようになった、と指摘した事実を確認するものだ。」と彼は言う。
この調査は88%のコーン農家がアメリカの農家と政府はヨーロッパと日本、そして世界中の全ての消費者の
権利を尊重し、彼らと彼らの子ども達がGM食品を食べるかどうか選択できるようにすべきだ、ということを示している。77%はアメリカがGMOに関してヨーロッパをWTOに提訴すべきでないという意見に同意している。「この調査はまた、もしアメリカの農家がバイテク・コーンや大豆を作りつづければ輸出市場を失うかどうか確信が持てないでいることを示しており、44%はイエスと答え44%はノー、12%は分からない、と答えている。しかし、産出国表示に関しては、調査対象の91%のコーン農家が農務省は議会を通過した法律に従うべきだと信じていると答え、海外から輸入された肉の産出国表示の要求はこの調査の中で最も合意度が高かった」とマクガイヤは付け加えた。
回答者の77%は、GMOコーンを植えない最大の理由は農家が、技術合意書でGMO特許のことを知っていて、バイテク種子企業の力が農家に対して強すぎることだ、と答えた。又73%の農家はアメリカと世界中の消費者がGMOの健康と安全性に懸念を持っていることを知っている、と答えた。この調査の質問と回答結果は以下のとおり。
●2002年の全コーン栽培面積は207060エーカー、そのうちGMOは59735エーカー、28.8%である。
2003年の全コーン栽培面積は210039エーカー、GMOは72083エーカー、34.3%である。
農家としてあなた方がGMOを植えるか、在来種を植えるか決定する際に、アメリカと海外の市場の懸念を考慮するかどうか知りたいのです。質問項目に対し重要か重要でないか、それともどちらでもないかを答えてください。
69.1% 重要(計)
・39.7% 大変重要
・29.4% 少し重要
14.3% どちらでもない
16.6% 重要でない(計)
・9.4% 全く考慮しない
・7.2% 在来種を植えるか、GMOを植えるか、非GMOを植えるか、全く考慮しない。
●アメリカの農家がラウンドアップ・レデイその他のバイテク・コーンや大豆を栽培し続ければアメリカは輸出市場を失うと思いますか?
・44.0%-イエス
・44.0%-ノー
・
11.9%-分からない
・
0.0%-回答拒否
●我々の最大の輸出先がGMOコーンや大豆を排除していることがコーンや大豆価格の低下の原因ですか?
・53.4%-イエス
・34.8%-ノー
・
11.7%-分からない
・
0.0%-回答拒否
●もし、あなたの顧客が満足し、アメリカのコーンに世界市場を開放することがバイテク・コーンでなく在来種の非組換えコーンを植えることを意味するとしたら、あなたはそうしますか?
・
79.6%-イエス
・
16.4%-ノー
・
3.5%-分からない
・
0.4%-回答拒否
●アメリカの農家と政府はヨーロッパや日本、世界の消費者の権利を尊重し、彼らと彼らの子ども達がGMO食品を選ぶかどうか決めることができるようにすべきだと考えますか?
・82.4%-イエス
・10.6%-ノー
・
6.7%-分からない
・
0.4%-回答拒否
●あなたはアメリカ政府農務省が議会を通過した法律に従い、海外産の食肉に原産国表示を要求すべきだと思いますか?
・91.0%-イエス
・5.5%-ノー
・
3.5%-分からない
・
0.0%-回答拒否
●アメリカがGMOに関してヨーロッパをWTOに提訴することに賛成ですか、反対ですか?
・76.5%-賛成
・14.9%-反対
・
8.0%-分からない
・
0.6%-回答拒否
●アメリカのコーンの30%だけがGMO品種です。農家は何故GMコーン栽培を躊躇するかについてさまざまな理由を挙げています。これらの理由の各々について、GMOコーンを栽培しない理由としてあなたが自分にとって最も大きな理由だと思うものはどれですか。最も大きな理由、幾分重要な理由、重要でない、あるいはGMOコーンを植えない理由として重要でないものはどれですか。
○GMOコーンはアメリカのコーン輸出を脅かすから。
70.1% 重要な理由だと思う、の合計
・36.8%
非常に重要
・33.3%
幾分重要
28.2%
重要な理由でない、の合計
・15.7%
重要な理由でない
・12.5%
GMOを植えない理由として全く重要でない
・1.8% 分からない
0.0% 回答拒否
○ アメリカと世界の消費者がGMOについて健康と安全性に懸念を持っていること。
72.7% 重要な理由だ、の合計
・30.2%
非常に重要な理由だ
・42.5%
幾分重要な理由だ
24.7%
重要な理由でない、の合計
・13.5%
それほど重要な理由でない
・11.2%
全く重要でない
2.5%
分からない
0.0%
回答拒否
○ GMO品種に特許がついていることで、農家に対するバイテク種子企業のパワーが強すぎること。
76.9%
重要な理由だ、の合計
・49.0%
非常に重要な理由だ
・27.8%
幾分重要な理由だ
20.4%
重要な理由でない、の合計
・11.4%
全く重要でない
・9.0%
GMOコーンを植えない理由としては重要でない
2.7%
知らない
0.0%
回答拒否
○ GMO コーンの種子は高すぎる。
74.0% 重要な理由だ、の合計
・45.4%
非常に重要な理由だ
・28.6%
幾分重要な理由だ
23.9%
重要でない、の合計
・13.9%
それほど重要な理由でない
・10.0%
GMOコーンを植えない理由としては全く重要でない
2.2% 分からない
0. 0% 回答拒否
○GMOコーンは収量増加のメリットがないから
40.6%
重要な理由だ、の合計
・20.4%
非常に重要な理由だ
・20.2%
幾分重要な理由だ
52.2%
重要な理由でない、の合計
・21.2%
あまり重要な理由でない
・31.0%
GMOコーンを植えない理由としては全く重要でない
7.3% 分からない
0・0% 回答拒否
○ GMOコーンの収量が在来種と比べて収量が上がるとしても、種子代が高いので自分の農場には実質利益がないから。
58.5% 重要な理由だ、の合計
・30.6%
非常に重要な理由だ
・28.2%
幾分重要な理由だ
37.1%
重要な理由でない、の合計
・15.5%
あまり重要でない、の合計
・21.6%
GMOコーンを植えない理由としては全く重要でない
4.1%
分からない
0.0%
回答拒否
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