GMコーンを食糧援助に送ったとしてグアテマラ市民が国連を非難
02年6月12日(水)
グアテマラ・シテイー発(ロイター)
グレッグ・ブロスナン記者
訳 河田昌東
火曜日(11日)グアテマラの環境活動家が、世界食糧計画(WFP)を通じて遺伝子組換えコーンを中央アメリカの零細農民に配布したとして国連を非難した。
環境グループのマドレ・セルバによると、国連が配布したコーンをアメリカの分析機関が検査したところ、科学者達が人間の摂取は危険だと指摘している遺伝子組換えコーンが検出された。
このテストをしたジェネチックID社のアイオワ研究所は、このサンプルにアメリカで開発された3種類の組換え遺伝子が含まれていることをロイター記者に確認した。これらの遺伝子はいわゆるフランケンシュタインの性質が最も強いとして、ヨーロッパでは使用が禁止されている。
ジェネチックID社の代表ジョン・フェーガン氏によれば、そのうちの二つは同じ会社が開発した除草剤耐性で、3番目は害虫を殺す遺伝子を含んでいる。「これらはヨーロッパでは完全に禁止されている」とフェーガンはいう。彼の研究所は大部分アメリカ生まれの作物がGMを含んでいるかどうか、禁止している国々に輸出可能かどうかのチェックをしている。
グアテマラにはGM食品を規制する法律がない。それで、ある科学者達は遺伝子操作で新しい、より病虫害に強い品種を作り、収量を上げれば飢餓を救うことが出来る、と言っている。しかし、批判者達はGMが花粉を通じて近隣の畑を汚染し、GM食品を食べた場合の長期的健康リスクについてはまだ誰も知らない、といっている。 「我々の事務所には国連のマークが入ったコーンの袋がおいてある。これは中央アメリカをモルモットにするものだ」とスポークスマンのマドレ・セルバは言う。
世界食糧計画(WFP)のグアテマラ事務所長のローラ・カストロが言うには、同計画は人間の食用に適したものだけを被援助国に配布しているが、提供されたものにGM作物が混じっているかどうかチェックする方法はない。 「私達は沢山の人々を養わなければならない」と彼女は言い、WFPは試験済みのサンプルを地域の供給者等から買ったが、組換えコーンは多分アメリカから以前に買ったものだろう、と付け加えた。
試験したコーンは人間の食用にのみ使われる予定である、しかし、マドレ・セルバによればそれらはグアテマラの畑に植えられる危険があり、地域の品種を駆逐してしまう可能性がある。 グアテマラ農業省の食糧安全担当のアレックス・ゴンザレスはこのコーンが人間の食用に適さないという証拠はないが、これが国内で栽培される結果についてのマドレ・セルバの懸念は「全くその通りだ」といった。政府は今後この問題についてグアテマラ・シテイーで開かれる穀物会議でさらに協議するだろう、と言った。