ラットの給餌試験では組み換えコーンは有害

マウスはNON―GMを好む

 

ISISレポート

メイ・ワン・ホー博士の報告

訳 山田勝巳

 

オランダの農民が、トウモロコシの山(一つはGM、もう一つはノンGM)を2つ、ネズミに食われるまま小屋に置いておいた。 GMの山は、全く食害を受けず、非GMの山が完全に食い尽くされた。 信じられない! 若い学生ハインツ・ホーゲンドーンは、この発見を確かめるために独自の実験を考案した。 メイ・ワン・ホー博士が、学生が母親と住むアムステルダム近くのヒルバーサムを最近訪れたのでその報告をする。

 

 グッセヘ(Guusje)のお母さんは、息子がユトレヒト大学へ戻るために汽車に乗った後で息子を非常に誇らしく思っていると話した。 若い活動家グループ(Jongeren Milieu Aktief)は、ハインツが書いた報告書をオランダ議会に12月11日に提出しており、彼らの新しいHP(www.talk2000.nl).でも紹介している。 

 

ハインツは、ウェブ上で、GMと非GMの嗜好性を見る動物試験の科学的報告が一つもないのを発見した。 彼は、GM食品の動物への影響を調べる中で、GM食品を開発した企業の全てが有害な影響のないことを宣言している報告を見いだした。 しかし同時に、ジャガイモが若いネズミの腎臓、胸腺、脾臓、腸に有害な影響があることを報告したアーパッド・プシュタイ博士を含む独立研究者の有害な影響を報告したものも見いだしている。 ハインツは、科学的発見だけではなく、大企業に反対する科学者が、いとも簡単に疑われていることがおもしろくなかった。 「個人的に、大企業は、自社の製品に巨額の投資をしているので、彼らの研究が信用されては困るんだと感じました。」 それが、自ら実験してみようというもう一つの動機だった。

 

17才の少年は、動物実験をするために沢山のお役所手続を経なければならなかったので気後れがした。 しかし、爬虫類学センターから蛇の餌用の雌マウス30匹をなんとか救い出すことが出来た。 マウスは体重の15%の餌を毎日それも様々なものが必要だった。 それで、飢えさせることなしに嗜好性を見るために、主食と比較する2種の餌を用意することにした。 主食としてペットショップからのローデントミックス(訳注:げっ歯類の餌)とオランダでGMフリーとメーカー(ケロッグとクェーカー)が保証するオートミールと小麦粉を使った。 GMの餌としてはトウモロコシと大豆を使い、対象として有機栽培の非GMを使った。 水は、自由摂取とした。 そして、毎日の消費量を記録した。

 

マウスが自由に動き回れるような大きなケージを用意した。 実験開始に当たり、GMと非GMのトウモロコシ、GMと非GMの大豆の入ったボール4つの入ったケージを用意し、放す前に、全マウスの体重を量った。 マウスは、暫く食べていなかったにもかかわらず、明らかに嗜好性を示した。 大豆はGM、非GMに関わらず嫌いで、たった1匹だけ非GM大豆を10分の観察中1分間食べたのみだった。 この間非GMトウモロコシには4−8匹、GMトウモロコシには1−3匹が観察された。 

 

次の一週間、ハインツはGMと非GMのトウモロコシ又は大豆の固まりを主食の他に与えて、毎日の摂取量を記録した。 九日間連続で観察し、トウモロコシも大豆も非GMの方がGMよりも多く消費された。 合計で61%の非GMと39%のGMが自由摂取で消費された。 ハインツは統計的試験はやらなかったが、この結果は極めて有意なものである。

 

次に、GMの影響を調べた。 この時には既に1匹が原因不明で死んでいる。 それでもう1匹を実験から外し、体重測定後14匹をGMに、もう14匹を非GMに分けた。 この後10日間食餌量を毎日と体重を中間と最後に測定した。

 

GM給与されたグループは多く食べた。これは恐らく開始時の平均体重が多かったためかも知れない。 実験終了時には体重が減っていた。 それと対照的に、非GMを給与されたグループは、食餌量が比較的少なく、体重は増え、実験終わりまで増え続けた。 この結果は統計的に有意である。

 

違いが観察されたのはこれだけではない。 行動に違いが見られたが、ハインツはこれが主観的で定量的でないと認める。 GMを給与されたマウスは「ケージの中でより非活動的」で、この行動性は時と共に差が開き、非GMケージのマウスは、GMケージのマウスよりも頻繁に車で遊んだ。 ハインツは部屋に入る度に、非GMケージのマウスの方がGMケージのマウスよりも歩いたり登ったりしているのに気付いている。

 

最も印象的な違いは、実験終了後の体重測定時に出た。 GM給餌のマウスは「より落ち着きがなかった」。 多くがカゴの中を走り回り、おが屑をかき散らし、気が狂ったように横に跳ねていて「これまで見たことがない」ものだという。 「僕にとっては何よりも戸惑いを感じるもので、GM食品がまともじゃないという証拠です。」と話す。もう一つの「興味深い結果」はGMケージのマウスが1匹実験の最後に死んだことだ。

 

彼の結論は「全てが終わった時点で、遺伝子的に機能強化された食品に対する不安を和らげるものは何も得られなかった。」と言う。 彼の結果は、プシュタイ博士のものに一致するようだ。 

 

ハインツは背が高く、運動神経が良く、間違いなくGMが嫌いだ。 自分で発見できたことを喜んでおり、みんなも同じにやってみることを勧めている。ハインツは、科学者、特にプシュタイの業績をないがしろにしその後何も知的貢献をしていない学者、顔負けのことをやってのけた。

 

 

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