バイエル社がGMトウモロコシ栽培を断念
バイエル社が商業化しようと計画していたGMトウモロコシChardonLL(除草剤耐性)の栽培を延期すると発表したことで、少なくとも2008年までは英国でのGM作物栽培はないだろう。このGMトウモロコシは3月に政府の認可が下りて、今年の春には英国で商業栽培されるはずであった。しかし、 同社は政府の与えた栽培条件が厳しく、GM作物栽培が「経済的に成り立たない」ことを認めたものだ。
2000年から2002年にかけて行われた「種子リスト」公聴会でGMトウモロコシの安全性と収量について重大な疑問が出ていた。地球の友は、GM種子が英国種子リストへの登録が申請されて以来この公聴会を開くよう後押ししてきた。この種子リスト登録は英国内でのGMの商業栽培の最後のハードルである。
この公聴会には220人以上の個人と60以上の団体が参加し、文書や口頭での意見を述べ、このGM種子のリスト登録を一時的に阻止してきた。このGM作物はかつてないほどの長期的なキャンペーンの焦点になってきた。ChardonnLLトウモロコシの栽培断念決定は、地球の友やその他の団体キャンペーンの有意義な勝利であり、GM企業へのボデイ・ブローである。英国における14年間の研究開発のあとで、商業的なGM作物栽培は1件も出来ていない。これはブレア政権のGM推進者たちへの打撃でもある。
ゼロ基準の要求
英国内でGM作物が商業栽培されるという差し迫った脅威は去ったものの、ヨーロッパでのGM作物と食品の新たな認可の試みは終わったわけではない。EU委員会はアメリカの圧力の下で新たなGM食品を認可しようとしている。その最初のターゲットはGMスイートコーンである。英国政府はすでに承認支持を表明している。従って、今はGMが我々の食品に入り込まないように、スーパーマーケットの棚から撤去されるように、スーパーマーケットに厳しいGM政策を取らせるようにする必要がある。新たな強力なGM表示制度が、4月18日に発効した。しかし、それでもまだわずかなGMの混入は認めることになる。我々はスーパーマーケットが、我々の食品がNON-GMであるよう保証することを期待する。