FDA Talk paper(注)
T03-11Media Inquiries: 301-827-6242
February 5, 2003 Consumer Inquiries: 888-INFO-FDA
訳 河田昌東
FDAは遺伝子操作豚の不適切な廃棄を調査中
FDA(合衆国食品医薬品局)は、イリノイ大学である種の遺伝子操作研究に使われた豚が恐らく不適切に廃棄され、食品供給ルートに入り込んだと断定した。当局は、現在の情報ではこの事故で人間の健康に与えるリスクは無いと信じる。しかしながら、もし確認されればこの研究がFDAの明白な規則違反となり、責任者らに対して強い処分を行うだろう。今日段階では、これは実験用遺伝子組換え動物の所定の場所への廃棄規則がフォロー出来ない単独の事故であるようだ。
イリノイ大学に対するFDAの最近の調査では、2001年4月から2003年1月までの間に同大学の研究者らが386頭の実験済みの豚を家畜業者に引き渡したことが分かっている。研究者らはこれらの豚が遺伝子組換え豚の子どもで、親に挿入された遺伝子は子どもには伝達されない、すなわちこの子豚自体は組み換え体ではない、と主張している。しかしながらFDAは、研究者らがこの子豚が導入遺伝子を受け継いでいるかどうか確認するための評価を行わず記録もとっていなかったので、それを確かめることは出来なかった。
これは実験動物なので、FDAはその安全性や含まれる遺伝物質の影響をこれまで評価してなかったが、利用可能な全ての科学的証拠から考えると、一般人の健康へのリスクは無いことを示している。この遺伝子は乳を分泌中のメス豚の乳腺である種のタンパク質を優先的に作るように組み換えられたものである。屠殺業者に売られた豚はいずれも乳を分泌するほど年取っていなかったと信じられる。従ってFDAはこれらの動物から作られた食品が公衆衛生の観点から回収されるべきとは考えないし、USDA(農務省)もこの意見に同意している。
農務省と協力してFDAは個別の研究者と大学の研究内容と記録を慎重に調査中である。
実験プロトコールから見る限り、この特定の研究に使われた動物は人間の食品チェーンに入り込まないように焼却又はレンダリングで廃棄すべきものであった。現在の知見に基づき、FDAはイリノイ大学と関係した研究者の双方に監察注意警告をした。FDAは調査の結果がまとまり次第次の処分を行う。
(注:FDAのTalk paperは現在問題になっているテーマに関して一般からの質問に対しFDA担当者が整合性のある正確な対応を行うようにするために広報担当が作成するもの。さらに新たな情報が利用できるようになれば更新する。)