GE汚染食料援助で議論が沸騰
クリスチャン・サイエンス・モニター
2002 年8月6日
抄訳 山田勝巳
飢えるアフリカも遺伝子組み換え食品に用心。
1200万人が食糧不足に直面する中、穀物が南アで足止め。
ニコラス・イタノ
ルサカ・ザンビア発
ルサカから東へ向かう幹線道路の外れにある草葺き小屋でジョセフィン・ムソペロは近所の人達と夫の帰りを待っている。彼女の夫は二日前にザンビアの首都ルサカへお腹を空かした村の食料を得るために35マイルの距離を出かけていった。 ここの村人は七年前の飢饉の時に黄色のコーンが配給されたのを覚えている。 ムソペロ夫人の夫はその本を訪ねていった。 アフリカ南部では白いコーンが多く、黄色のコーンは家畜の飼料で人の食べ物としては不適当と考えられている。 「こんな惨めなものを食べるくらいなら」と示したのは、子供のために砕いていた小さな木の実の入った袋で「どんなものでも食べますよ。」という。
だがGMコーンはどうだろうか。これまで科学的なリスクと恩恵はパリの通りやアイオワの食卓で議論になっていたが、その賛否が俄に一般のザンビア人の死活問題となり、南部アフリカの国際的飢餓回避努力が頓挫しかねない状況になっている。ザンビアの様な国の政府は、安全確認の前に受け入れるべきか、現状の飢餓を救う穀物を拒否すべきか難しい選択を迫られている。
アメリカは、ザンビアが必要とする食糧の半分と、飢餓に襲われた地域が必要とする1/3を供給すると申し出た。これまでの所、飢餓に襲われている7カ国の中アメリカの申し出を拒否していないが、ジンバブエ向けの荷は、他へ回されている。その他にもこの食糧拒否を真剣に検討している国がある。 ザンビアのレビー・マナワサ大統領は先週、食糧は必要だが安全性が確認されない限り受け入れられないと発表した。
ルサカでは誤報と市民のヒステリーが議論に油を掛けている。 一般人の心配はこの食糧で病気になるかどうかである。ルサカ近郊の住宅地に住むジョージ・チュウルンボは食糧が入ってこないだろうと考えている。GMの詳細は分からないが、この食糧が危険だと考えている人が居ることは分かっている。「この食料を食べたら胃に癌のようなものが出来るかも知れないから、そんな物を食べるよりは餓えの方がましだ。」と言う。
製粉すれば種子として利用されることはないが費用が$25/トン余計に掛かり、専門家は中西部向きのコーンがザンビアで蔓延ることはないし、南アが主要GM生産国であることから考えると既にザンビアにGMがある可能性もあると指摘する。
GM議論は、ムソペロ夫人が住むマラウィとの国境付近までは浸透しておらず、遺伝子やら組み換えなどは理解できない。 そんな単語は存在しない。 分かっているのは今家族が飢えていることだけだ。「私達の生死は外国からの援助にかかっている。援助がなければ子供達も私達自身も死ぬことになる。」とムソペロ夫人の隣人は話す。