フランスで新たに2人のvCJD確認 計11人に 世界全体では172人

農業情報研究所(WAPIC)

05.4.6

 フランスで新たな二人変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD、BSEの人間版とされる)患者が発見された。フランス衛生監視研究所が4日付のコミュニケで発表した(Variant de la maladie de Creutzfeldt-Jakob (v-MCJ) : deux nouveaux cas ont été identifiés par le Réseau national de surveillance des MCJ et maladies apparentées:http://www.invs.sante.fr/display/?doc=presse/2005/communiques/mcj_040405/index.html)。これにより、フランスでvCJDまたは多分vCJDと確認された患者は11人となった。うち3人が生存、8人が死亡している。

 死亡者は96年1人、01年1人、02年3人、04年2人となっている。しかし、この半年にvCJDと診断されたのは4人に上り、漸増傾向が伺われる。死亡者の5人は男性、3人が女性で、年齢は20歳から50歳まで(平均34歳)で、居住地域はパリを含むイル・ド・フランス(4人)、プロバンス(4人)に集中している。すべてプリオン蛋白質の遺伝子コドン129がMM型の人である。

 今年1月のフランスの研究(Chadeau-Hyam et al,Risk of variant Chreutzfeldt^Jakob dizease in France,Int J Epidemiol,2005.1.13)は、牛肉製品の消費の結果としてこの病気に罹るフランス人の数を33人以上と予測した。これは英国からの輸入牛肉が主要感染源と仮定して導かれた結果である。潜伏期間の分布や罹患しやすい年齢も英国のデータから推定した。予想された33のケースには1940年以前に生まれた人は含まれず、40-69年生まれが12人、69年以後の生まれが21人、発症年齢は69年以後生まれで安定的、それ以前の生まれでは高まるとされている。英国渡航で感染したと見られるケースはない。英国からの牛枝肉総輸出の60%がフランス向けであったことが、フランスにおけるvCJD高発生の理由と見ている。

 どこの国も、vCJDは英国牛肉製品からのみ起きたと言いたがるようだ。

 なお、今回新たに発見されたケースは供血暦がないという。最近確認された4ケースのうち2ケースは84年から02年の間に供血暦があり、この血液を輸血された人は調査中である。

 英国におけるvCJD患者は、4月1日現在で155人(生存者6人、死者149人)となった。世界全体では、これとフランスの11人、アイルランド2人、イタリア・米国・カナダ・日本各1人を合わせて172人となる。うち、アイルランドの1人、米・加・日3人の計4人は英国での感染とされている。

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,04.11.25
 
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