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02126

エミリー・ゲルセマ(AP記者)

ワシントン発AP

訳 河田昌東

 

(アメリカ)農務省は動物用ワクチンを含む遺伝子組換えコーンを

人の食用大豆に混入させたバイテク企業に

3百万ドル(約370億円)以上の罰金を科した

 

 プロデイジーン社の汚染大豆が食用供給に入り込むのを阻止した政府は、同社が25万ドルの罰金を科した。アン・ベネマン農務長官は、同社がさらに汚染した大豆50万ブッシェルの代金270万ドルとその廃棄費用も支払わなければならない、といった。プロデイジーン社のCEOで社長のアンソニー・G・ラオスはこの事故に対して謝罪した。「不幸な事故を大変申し訳なく思っている。すでに是正しました」と彼は言った。

  農務省動植物保健監視サービス局長のボビー・アコードは、バイテク企業が遺伝子組換え植物の輸送と栽培を規制するために作られた植物保護条例に違反し、罰金を科せられたのはこれが初めてのケースだ、といった。プロデイジーン社は、また同社の製品が原因で将来生ずる恐れのある問題のために100万ドルの担保を支払うことに同意した、とアコードは言った。カレッジ・ステーションに本拠をおく同社は遺伝子組換えコーンで医薬品や工業用酵素やタンパク質を生産している。政府はそうした作物を栽培し収穫するに際して、これらの製品が食糧供給経路や近隣の作物と混合しないように厳しいガイドラインを作っている。プロデイジーン社はアイオワ州のポカホンタス郡とネブラスカ州のハミルトン郡の農場で、大豆を植え付ける前に豚のワクチン用タンパク質を含むコーンを完全に取り除くことに失敗した。アイオワのコーンは焼却され、ネブラスカのものは倉庫に保管されている。

 政府はプロデイジーン社と共同で、より厳密なプログラムを立てることによって整合性を改善する努力をしている。ラオスによれば、「他の企業が追随できるような基準を設定するだろう」という。「我々はいくつかの重要な課題を学んだ。我々が農務省と共同で開発しているより進んだ整合性プログラムで、全企業が利益が得られるよう希望する」と彼は言った。

 農務省当局はプロデイジーン社の試験圃場の監視を強化するだろう。FDA(食品医薬品局)の副長官、レスラー・クロフォードは、FDAもプロデイジーン社と協力して同様な事故が再発しないよう計画を立てている、といった。農務省(USDA)と食品医薬品局(FDA)、環境保護庁(EPA)がバイオテクノロジーを規制している。

憂慮する科学者連盟(UCS)は、このペナルテイーは正しい方向へのワンステップだといった。「プロデイジーン社は目覚まし時計の役割をした。彼らはそれを聞いたと思う」と同グループの食品・環境問題担当のマーガレット・メロンは農務省の対応について言った。

   次のステップは食品への脅威を防ぐ国の基準を作ることだ、と彼女は言った。「食品供給へのゼロ汚染基準を国が定めることが必要で、工業用または医薬品用植物を栽培しても食糧供給経路に汚染が起こらないと私達が信じることが出来で初めて、それらの植物の栽培を進めることが出来るだろう」とメロンは言った。

     

 

 

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