ヨーロッパのニュース5報

要約 山田勝巳

 

メキシコ議会がUSコーンの輸入禁止決議

 

2001年6月12日

 

メキシコ議会は、圧倒的多数でGMコーンの輸入禁止とメキシコの作物純度を維持し、食糧の安全保障を大統領に求める議決をした。数ヶ月前にオアハカ州で野生コーンのGM汚染が見つかってから大きな問題になっている。 農業省は、この禁止法案が通る前にGMコーンを市場開放しようとしていると環境団体に指摘されている。

上院は農業省の野生コーン汚染の調査報告と生物安全保障連邦委員会設置の進展について情報提供を要求した。

オアハカ州政府は、農業省の調査情報を得るためにてんやわんやである。

 

 

オーストリアで初めてのBSE確認

 

2001年12月12日

 

オーストリアで初めてのBSEが確認されたことでEUではスウェーデンだけが発生のない国になった。 この確認で有機食品への要求が高まるものと思われる。今年1月にBSEの誤報が流れたときも有機の需要が急上昇した。 厚生大臣ハーバート・ホウトは、BSEの発生を受けて、有機農業推進を呼びかけたが、農業省の報道官ダニエル・カッパは、有機食品への需要が高まらなければ上手く行かないことだと話す。

 

 

イギリスで製粉所を抗議の封鎖

 

2001年12月14日

クリス・コート、PAニュース

 

GM大豆を製品に使ったとして抗議者がサンタクロースと豚に扮装して製粉所を抗議封鎖した。遺伝子操作に抵抗する南部団結(SURGE)の10人のメンバーが自分達をチェーンで縛り5時間の座り込み封鎖をBOCMポール社の製粉所に対して行った。 「我々は、家畜飼料を食品に紛れ込ませているのを止めさせるために、1日止めて検討するよう促しているんだ。」と広報担当者は説明した。

昨年の同様、抗議目標である製粉所の封鎖は、GMに反対する多くの団体の全国的抗議行動の一貫で、BOCMポール社はイギリス最大のメーカーだという。 豚に扮した抗議者は、世界のGM作物の3/4が飼料を経由して「裏口」から来ていると話す。 これはGM飼料で育った家畜の肉、チーズ、ミルク、卵に表示がないためだ。

 

 

イギリス;ロンドンに甘美な有機革命

 

有機コンビニ一号店

2001年12月17日

 

ロンドン初の有機製品だけを扱うコンビニチェーンの第1号店がケンジントンハイ通りに開業した。 ラシアス・オーガニックと名付けられたこの店は、地元の小売り店となるのが目的で、既に業者や海外からの問い合わせが来ている。 「もう、大きなスーパーで有機製品を探し回らなくても、すぐそこの店に有機製品が何でも揃っている場所が出来る。 ここでは有機のトイレット・ペーパーからトマト、総菜、レーズン、クリスプ、人参と全部有機で便利なんです。」と副社長のアリソン・ローズは話す。

最近の調査では、コンビニは7.7%成長で一般の人は週に5回使うという。 ラシャスが独自に行った調査では、有機を買いたいが、遠くまで探し回りたくはないという結果が出ている。 「みんなはどんなものを食べているか知りたいので、当然有機を望んでいる。 我々は高級品店で高品質の有機店、プラス優良顧客制度も作る。

 配達もするし、店内には野菜が洗える場所も用意する。」  「スーパーのリーダーでプラネット・オーガニックのようには行かないが、地元商店の分野では鍵になるような事業をしたい。」とアリソンは意気込んでいる。

アリソンとトニー夫婦は3年前にロンドンにやってきて低脂肪カフェを始め、65万ポンドの資金を集めた。 投資者には6店舗与える約束だったが、実際には11店と9カフェを与えることが出来た。

「大変だったけどなんとかやれた。今度はオーガニックだ。別に4店分の土地が見つかっているので資金集めをする予定だ。低脂肪カフェは急速に延びた。オーガニックも急速に延びる市場で、良いサービス、良い食料、すぐ近く、そして市場の最先端を行く力が我々の売りだ。」とトニーは言う。

 

電話: 0207 262 9492,メール:info@luscious.co.uk   

HP:http://www.luscious.co.uk/

 

 

GE作物妨害のボウベ有罪にフランスで暴動

フランスの過激派農民が6ヶ月の懲役判決を受け、機動隊が動員される

 

2001年12月20日

AP

モンペリエール、フランス:

 

過激派フランス農民ホセ・ボウベを裁判官が6ヶ月の禁固刑を木曜言い渡したのは、100人以上の彼の支持者を裁判所から機動隊の催涙弾で追い出してからだった。高裁は、反グローバル化のリーダー的存在であるボウベを、2年前の1999年にGM米の圃場を破壊した罪で有罪を宣告した。 判決後、好戦的ボウベはGM作物反対闘争を続けると宣言した。 彼は、フランスの最高裁に上告すると話しており、そうなれば入獄は更に1年延びる。フランスの法律では被告は上告が出来なくなるまで判決に従わなくても良い。

「今日、当局は我々の闘争を弱体化しようとしたが、この戦いは終わることはない。監獄に入れれば、監獄の中から闘争を継続する。」とボウベは裁判所の中で記者に話した。

フランスでは、GM食品への反対は非常に強い。 ボウベの農民連盟は、政府が実験圃場を潰さなければ自分達が潰すことを運動目標にしている。 高裁の判決は、先月の審問に続くもので、この時、裁判官は罰金と執行猶予付きの10ヶ月禁固刑の緩いものだった。

 

木曜、パトリック・ブロシェー裁判官は、農民連盟の農民100名以上が進行を妨害し法廷を去らなかったので、判決を2時間ほど遅らせた。 機動隊が入って、抗議者を法廷のロビーに押しやり、とうとう催涙ガスを使って建物から追い出した。 フランスの人権連盟は、判決を非難し、ボウベとの「団結」を表明した。

 

ボウベは、1999年に南フランスのミリューで自宅近くにあるマクドナルドのレストランを荒らした後でメディアのスポットライト殴った。 その年更にボウベと他の2人が、モンペリエー近くの研究企業シラドが作っている温室の米1000本以上を抜き倒した。 この3人は去年3月に有罪となっている。

3人とも上告し、裁判所は木曜、前農民連盟メンバーのレネ・リエセルに6ヶ月の実刑、団体の地域広報担当ドミニク・スリエーには執行猶予付きの6ヶ月を言い渡した。

 

 

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