EUの種がGM汚染されている!
グリンピース・プレスリリース
2001年5月3日
ブリュッセル
抄訳;アキコ・フリッド
EUでの種まきシーズンを控え、一般的に「従来の種」と呼ばれている遺伝子組み換えではないはずの種を検査したところ、種にGMの混入があることが発覚した。これによって、違法なGM汚染が広がっている(注1)という事実が証明された。
検査はオーストリアの民間による研究所(エコラブ)で、3種類のトウモロコシの種を使って行なわれた。検査の結果、モンサント社とノヴァルティス社のGM種の混入が確認された。先週ドイツで行なわれた検査でも同様な結果を得た。
今春の種まきシーズンはすでに始まっていることから、グリンピースは生産者に対し、「種へのGM汚染が頻発していることから、自分の蒔いた種はGM汚染されていないと確信することは出来ない状況である」と警告した。
今春、これまでに発覚したGM汚染は、ノヴァルティス社のBT11とモンサント社のGA21である。これらのEUでの作付け(注2)は認められていない。
「これは氷山の一角にすぎない。なぜならほとんどの国ではこのような種の検査が行なわれていないからだ」と、グリンピース・インターナショナルのロレンツ・ピーターセンは言う。
「モンサント、アヴェンティス、ノヴァルティス(シンジェンタ)は、世界中の純粋な種をGMで汚染しない義務がある。しかし、彼らはその義務に対し一貫して怠慢な態度を取り続け、責任を放棄している」
グリンピースとしてEUや各国に要求しているのは、「認可されていないGMOの混入がゼロ・トレランス(混入敷居値ゼロ)を保つよう適切な法案を施行し、種へのGM混入が発覚した場合にはすぐに市場から回収し、すでに作付けされてしまった場合には、それを破棄するような処置を取るようにすること。これ以上のGM汚染を防ぐためには、信頼できる確実な品質証明管理形態を施行すること」という点です。
GM汚染で損害を受けた生産者、小売業者、そして有機食品関連産業は、GM種企業から補償金をもらえるはずである。EUの環境法によって、基本的に「ポリューター(汚染の原因をつくった者)」には、補償する責任があるのだから。
注1 イタリアでは何百トンもの違法なGMダイズとGMトウモロコシの上陸が港で阻止された。農務大臣は21の国内の種会社に種の調査をするよう指令した。生産者は「安全な種まき」を約束することとし、種の破棄を呼びかけた。ギリシャでは、輸入したコットン(綿花)の種がGM汚染されていることを今年もまた確認した。イギリスでは政府の研究者によって、GM汚染されていると思われるナタネの種の検査が行なわれている。EUに種を輸出しているカナダでは、モンサントによってGMナタネ「クエスト」の回収が行なわれた。輸入国で認可されていないGMの混入が確認されたからだった。昨年はEUの農地の6000ヘクタール(フランス、ドイツ、ルクセンブルグ、スウェーデン、そしてイギリスの農地)もがGM混入のあったナタネの種で汚染された。フランスでは更に4800ヘクタールに及ぶ農地がGM混入のあったトウモロコシで汚染された。
注2 EUではGM種の商品化や野外での作付けの際に、「遺伝子組み換え有機物の環境への慎重な放出に関する指令 90/220/EEC」が適応される。昨年、発覚した種へのGM汚染スキャンダルを教訓とし、EUは加盟国に対し種の検査をするよう要求している。
※注に関する番号などは原文とは違っています。アキコの解釈ですので、本文(もっとずっと詳しいです)が読みたい方はHPでどうぞ!