EUが国連のバイオセーフテイー・プロトコールを批准

 

2003年6月4日(AP)

ストラスブール(フランス)発

訳 河田昌東

 

EU議会は水曜日(6月4日)3年越しで議論されてきた遺伝子組換え食品の国際貿易を規制する国連バイオセーフティー・プロトコールを批准した。

このプロトコールは各国がもし遺伝子組換え製品が安全であるという十分な科学的証拠が無いと判断すれば輸入を禁止したり、コーンや綿のような遺伝子組換えを含むものに対し、輸出業者に表示を要求することができる、というものである。        

このEU議会の決定はEU参加国政府が、3年前カナダのモントリオールで議論された国連合意に、参加15ヶ国ブロックを通じて今月末から法的な根拠を与える道を開くものである。     

現在、デンマーク、オーストリア、スペイン、スエーデン、オランダのみが国連合意を批准している。他の国々は、まずこのプロトコールがEUで批准されるのを待っていた。

主なバイテク作物の生産国であるアメリカは、GM作物の表示に反対を主張してこのプロトコールを批准していない。アメリカはGMの輸入禁止にたいして戦っている。   

EUの環境委員マーゴット・ウオルストロムはEU議会の決定を賞賛した。彼女は「EUの決定はバイオセーフティー・プロトコールの実施をきちんとさせることを確認するものだ」と言った。国連のプロトコールはこの秋に効力を発すると期待されている。2000年にカナダのモントリオールで103カ国が署名した合意を今後50カ国が批准する必要があるが、これまでに49カ国が批准した。

EU議会のスエーデン左翼議員であるジョナス・スジェステッドは、EU議会によるこのプロトコールの承認は、ヨーロッパが遺伝子組換え作物の取り扱いを欲していないという、批判者らを助けるだろうと言った。「この新しいルールは最近開発された技術の生産物であり、人間の健康と環境にとって危険性を持つかもしれないGMOの貿易が予防原則に基づいて行われなければならないことをはっきりさせた。」とスジェステッドは言った。

この原則は、開発途上国に対し国民の健康と経済的利益をバランスさせ、GMO食品が自国に入り込むのを禁止できるようにする。「この規制は、昨年アフリカがGM食品の援助を拒否した責任がEUにあると非難するアメリカ政府の最近の主張にEUが対抗するのを助けるべきだ。この厳しい新たなルールの合意によってEUは加盟各国がGMの輸入を受け入れるかどうか選択できるよう後押しする」とスジェステッドは言う。

 

 

 

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