コカコーラとペプシコーラに高濃度の農薬 インド市民がパニック

 

ラーマ・ラクシュミ

ワシントンポスト

2003年8月11日

訳 山田勝巳

 

インドの環境保護団体がコカコーラとペプシコーラに高濃度の残留農薬が入っていることを明らかにしてから、インド市民によるビンの叩き割りや議員の製品禁止要求が相次いでいる。

 

これに対し、ペプシと、コカコーラはこれまで有り得なかった共同戦線を張りニューデリーに拠点を持つ環境監視団体の発表直後から対抗し始めた。この二社が販売している代表的一二種類を検査した結果「全てのサンプルから4種類の猛毒、リンデーン、DDT,マラチオン、クロールピリフォスが検出された。これらの残留農薬レベルは欧州経済委員会が定めた飲用水の基準を遥かに超えている。」

 

報告では「それぞれの農薬がガンなどを長期的毒性、神経系、生殖系、奇形児、免疫系の重度な障害を発生するほど毒性が高かった。」と述べている。この検査は、8月6日の新聞各紙で一面を飾り、議会の食堂ではペプシとコークの販売を停止し、議員の多くがこれらの禁止を要求した。「これはソフトドリンクという面を被った毒だ。」とラムジラル・スマン議員は下院で叫んだ。保健大臣は、独立機関による検査を緊急で要請している。

 

ペプシ社とコカコーラ社は、インドで12億ドルの売上げがあり年65億本売り上げているが、報告が疑問があり、飲料はEEC基準よりも低いと素早く反論した。ペプシ社は、検査方法を詳しく書いた新聞広告を見せながら「ペプシは最も安全な飲み物だ。」と宣言した。

ペプシコが検査に使ったビムタ・ラボのバシ・レディによると「この10−億以上の途上国では農薬の多様で食物連鎖全体に残留農薬が蔓延している。母乳にもWHOの基準よりも高い残留農薬が検出されている。

 

「問題は農薬をなくする前向きな政策だ。」とレディはいう。 ペプシコのサンプルにはEECレベルよりも残留農薬は低かったが、環境と科学センターのスニタ・ナライン所長によると、二社が広告で発表した結果は生水と処理水のもので製品のものではないという。

 

コカコーラはボンベイ高等裁判所に対しピューン市西部に貯蔵している在庫の押収を止めるよう要請所を提出し、ペプシコはニューデリー高等裁判所に環境と科学センターの報告書を公表する事を差し止め、独立機関による検査を要求する請求を起こした。市民団体の代表ナラインは、報告書は巨大飲料メーカーを攻撃する事が目的ではなく、「いつも不明確な定義を網の目のようにめぐらすインド政府との闘いだ。」と話す。

 

 

 

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