チーズ作り加速化にクローン牛
ニューヨークタイムズ
2003年1月27日
アンドリュー・ポラック
訳 山田勝巳
ニュージーランドの研究者達が、チーズ作りを加速化する蛋白質の多いミルクを出す牛を作出したと報告した。
この牛は、医療用の蛋白質をミルクに出すように遺伝子組み換えされたもの。 しかし、ネーチャー・バイオテクノロジー誌によると、これは食品としてのミルクを遺伝子組み換えする初めてのものだと言う。
政府所有の研究企業AgResearchのゴッツ・レイブルの率いる研究グループは、研究室でベータ・カゼインとカッパ・カゼインという二つの牛乳蛋白を作る遺伝子コピーを細胞に余分に追加している。 それを、クローン技術を使って牛の胚を作った。 11頭の牛が生まれ、内9頭が対象群に対してベータ・カゼイン量が8-20%増、カッパ・カゼインは倍量のミルクを出すようになった。
しかし、農業省調査によると反応は様々だという。 「チーズつくりに蛋白質の多いミルクが欲しいという年があったと思えば、次の年にはバターが不足しているから脂肪の多いミルクが欲しいという。」
遺伝子操作された牛のチーズが市場に出回るのは先のことで、食品医薬品局は、クローン牛の牛乳や肉は、政策が決まるまで販売しないよう求めている。 しかし、クローン動物製品が許可されても、遺伝子操作によって予期せぬ変化が牛乳に起こっていないかどうか検査する必要がある。