チャールズ皇太子の有機食品事業が記録的収益
スコッツマン
(UK)
2002年12月18日
ポール・ギャラガー
訳 山田勝巳
チャールズ皇太子は、自分の経営する有機食品事業が今年50%の売上増を記録したと発表した。 ダッチ−・オリジナルは、年商1400万ポンドの販売額で、英国有機商品生産の大手になりつつある。 昨日発表された内容では、クリスマス・プリンと天然ウールの衣料品が売上増に貢献し、利益で約10%、634,620ポンド増につながったとい
う。
ダッチー・オリジナルが1990年に事業を開始したときは、事業として成り立つと見ていた農家は殆どおらず、チャ−ルズ皇太子の気まぐれの現れだと見ていた。 当初5年間は利益をあげられなかったが、当時から有機食品の需要の伸びに乗り、現在では殆どのスーパーで陳列されるようになった。 ダッチ−・オリジナルは、皇太子のハイグローブ領地で生産され、有機ビスケットと有機ベーコン、ソーセージでは最大手である。
チャールズは事業からの収入を得ておらず全ての利益はウェ−ルズ皇太子慈善基金に回されている。 事業からの献金は過去3年間で150万ポンドに上っている。 ガイ・マクラッケン会長は、ダッチ−・オリジナルは英国の高級有機食品ブランドの最大手になることを目指している。 「流通販路の開発と新商品の成功などで売上は、50%増を達成している。」 この一年チャールズは、「田舎のカジュアル」ファッションに進出して田舎経済の活性化を目指すといってきた。 イギリスの羊農家の羊毛だけを使ってセーター、スカーフ、紳士服などを製造する予定。 伝統庭先家具の販売も考えている。
ダッチ−・オリジナルのヒット商品は、ハイグロ−ブの近くのコーンウォールの公領で生産された燕麦で作ったオート入りビスケット。海外での販売も皇室コネクションで強く、アメリカ、フランス、ドイツ、カナダ、アイルランド、中東との契約を確実にしている。
ダッチ−・オリジナルの最大顧客であるテスコは、2005年までに有機食品の販売量は4倍、スーパーのチェーンで10億ポンドになると見込んでいる。 生産費が高いにもかかわらず、遺伝子組み換え作物や色々な食品安全問題で毎年40%の勢いで伸びている。
4軒に1軒の割合で、定期的に有機食品を購入しているが、生産は追いつかず、販売される70%が輸入品になっている。