カナダで発ガン性のあるGM医薬用の米を栽培
社会科学研究所(http://www.i-sis.org.uk)
2004年3月9日
訳 山田勝巳
発ガンを促進するとして知られている人インシュリン様の成長因子を持つ組み換えライスがカナダ政府予算の研究で商業生産用に開発された。ジョー・カミンズ教授が今またバイオセーフティ違反を曝露する。情報源についてはISIS会員サイトで見られる。
カナダでは産学官が共同して医薬用組み換え作物の開発に邁進している。圃場試験がたくさん行われており、少なくとも一つの組み換え、人ラクトフェリンとリゾチームを生成するライスが商業栽培用に推進されている。
このような医薬作物の開発は、アメリカでは国民の重大な関心を集めているが、カナダ国民は医薬作物がアメリカだけのものであるという認識である為殆ど注目していない。しかし、カナダでは極めて危険な医薬作物が予防的安全策や当局の監督も無く圃場試験が行われている。カナダ食品検査局(CFIA)は、組み換え作物を積極的に推進し開発している農業省の小さな下部組織にすぎない。カナダの報道機関は、カナダ経済を支えている食用作物を汚染する危険性のある広範な圃場試験を無視しているか好意的報道をしている。
最近、オタワ大学とカナダ国立研究審議会は、人インシュリン様成長因子(hIGF)を生成する組み換えライスとタバコを開発したと報告した。この組み換え遺伝子は植物での生産を増強する為にDNA配列を変えた合成人遺伝子である。植物で生成された蛋白質の活性は、脳のガン細胞増殖を促進する評価法で試験されている。
カナダの研究者は、hIGFは子どもの成長障害、インシュリン抵抗性糖尿病、骨粗鬆症、AIDSなど広い治療用途があるという。しかし、癌を促進する事や人や動物に使う事の危険性やhIGFが食用作物を汚染する事については特に言及していない。科学評論家や雑誌編集者も医療的恩恵は出してもhIGFを植物で生成することのリスクは無視している。
ガン細胞の変異や増殖に対するhIGFの役割に関する文献は山ほどある。例えば、hIGFの増加に伴って乳癌リスクが増加する証拠がある。組み換え成長ホルモン(rBGH)を与えた牛の牛乳にはIGFが多く、rBGHミルクは乳癌と消化器癌の危険因子と考えられている。
2001年には、IGF組み換え遺伝子で操作された386頭の豚肉が、”誤って”市場に出され、フロリダの住民が食べた事がある。これによる健康被害は、政府と報道機関によってもみ消された。
カナダでは、有害な免疫抑制インターロイキン10が、組み換え遺伝子や蛋白質の拡散を防ぐ手立てを殆どせずに都市近郊に栽培された組み換え作物で生成された。試験の環境と健康影響は、全く無視された。カナダの政治家と報道機関は、服従で無いとすれば受身的姿勢をとっており、国民に相談するとか議論するとかは言うまでも無く情報さえ与えずに医薬作物試験栽培を大々的に行う事を許している。
社会科学研究所(ISIS)は、組み換え医薬作物の害と長期的脅威に関する報告書をいくつも配布してきたから、これを使えば自分の住む近くの生産施設や幸運にも発見できた秘密の圃場試験で栽培されている作物がいかなるものかを知る情報となるはずだ。医薬作物の試験や生産は透明性100%で行われる事と、作物の遺伝子構造、栽培地、組み換え遺伝子と生産物の拡散の監視法の全面公開は不可欠だ。カナダで行われているような都市近郊での試験や生産は違法とすべきだ。試験と生産施設の監視は独立の第三者機関が行うべきで生産者は試験紙のような簡易検査を用意すべきだ。
最後に、カナダではCFIAが医薬作物の圃場試験を許可したり監視する責任がある。医薬品分野では専門知識がないにもかかわらず、医薬品監督機関であるカナダ保健省は、最終的生産施設が出来上がるまでは関わらない。組み換え作物を推進し開発している農業省に対し、政府の下部組織が危険な医薬品を規制するというのは、カナダの食糧生産に災いをもたらすものだ。
この記事は以下のウウェブサイトで見られます。http://www.i-sis.org.uk/CPTR.php