メンドシーノ郡の住民投票でGMを禁止
共同通信
ポール・イリアス
2004年3月3日
訳 山田勝巳
米国では始めてメンドシーノ郡の住民が遺伝子組み換え作物や動物の栽培と飼育を禁止した。この動きは、47,000人の選挙人がいる郡で50万ドル以上を使って阻止しようとしたバイテク業界に一撃を加える事になった。
「業界には金があったが、住民は我々にあった。」と住民投票作戦を指導したエルス・クーパライダーはいう。97%の選挙区でワイナリーで知られる地域の56%がメジャーH(H法案)を支持した。法案反対者のコメントは現在えられていない。彼らのキャンペーン事務所には“賃貸”の看板があって誰もいなかった。有機ブドウ農家の先導で支援者は10万ドル近くの資金を集めた。
この地域では、遺伝子組み変え作物栽培が報告されていないので、メンドシーノ郡ではこの禁止による影響はほとんどでない。しかし、メンドシーノ郡の有機農家はこの法律を売り込みに使いたい、特にヨーロッパでは遺伝子組み買え食品の反対が強固なのでという。
この勝利は、同様の活動をしている北カリフォルニアの郡や他の地域を勇気づけるものと期待されている。バイテク業界は、この新法を覆す為の裁判を起こす事が予想される。業界はバイテク規制は連邦政府に任せるべきで、そうでなければバイテク企業が地元の条例をくまなく調べる事になる羽目になるという。
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カリフォルニアの郡がバイテク作物栽培を禁止
ロイターニュース
ケイリー・ギラム
遺伝子組み変え食品に反対する住民が、メンドシーノ郡をGM作物と動物を禁止するアメリカで初めての法案を承認した歴史的勝利を祝った。この禁止は、国内の他の地域で同様の法案を潰してきたモンサント、デュポンなどバイテク企業の強力な反対にもかかわらず成立した。 「勝った!バイテクのゴリ押しに勝った!」と”H法案にイエス”運動の広報担当ローラ・ハンバーグは喜びをあらわした。「住民が勝った。モンサントとその一族郎党をメンドシーノから追い払った」
この法案はバイテク作物の栽培と遺伝子組み換えされた動物の飼育を禁止するもの。支持者は、バイテクフリーの郡であるという表示は、ここの製品が特に反対の強いヨーロッパで売れるようになるだろうという。支持側の8万ドルに対し60万ドルを費やしたバイテク推進側は、法的手段を含めた今後の対応を検討していると話す。「この住民投票とその意義が先例となることを怖れている」と農業バイテク団体の利益を代表するクロップ・アメリカの広報アラン・ノーは懸念を表明した。
今後予定されている技術が郡のブドウ農家にとって恩恵があるだろうことを考えると今回の法律は「近視眼的だ」とノーはいう。しかし、ハンバーグは北カリフォルニア郡の8万の住民、5万の選挙人はブドウ畑や農業資源の純度を守ることに一生懸命だという。「我々は、バイテク業界に対し立ち上がっている世界中の草の根運動をやっている人々と共にある。」とハンバーグはいう。事実メンドシーノと同じ計画をしているカリフォルニアの郡は他にもある。バーモントではGM作物栽培を2年間禁止する法案が提出されている。モンサントが世界初のGM小麦を生産しようとしているノース・ダコタでは反対者が最低でも一時的にバイテク作物を禁止する活動を再開している。