ISISニュース

訳 山田勝巳

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1)バイテクスランプを救うのか遺伝学とバイオ防衛(既に掲載)

2)暴かれる遺伝子治療のリスク(既に掲載)

3)クローンへ死の宣告(既に掲載)

4)ブタの臓器移植は高価で危険(今回翻訳)

5)医用動物業の廃業(今回翻訳)

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4)ブタの臓器移植は高価で危険

 

のっぴきならない異種間移植に関する報告書が政府役人によって闇に葬られたとオブザーバーは伝えている。保健省は二年まえに異種間移植の法的、倫理的意義を検討し、反対の多い技術をいかに推進するか計画の素案になるものを提出するよう委嘱していた。

 

グラスゴー大学の独立諮問委員は、異種間移植よりも別の方法が好ましいと警告した。この報告書では、政府がこの技術への国民の不安や倫理的懸念を無視しているばかりでなく、患者に適用することは極めて危険で数百万ポンドの賠償請求が発生する可能性があると問題提起している。グラスゴー大学のシェイラ・マックリーン教授とローラ・ウィリアムソン博士は、16ヶ月かけてこの700ページに及ぶ書類を編纂している。

 

ザ・オブザーバーに6月末に漏れたその結論によると、人体に豚の細胞や臓器を移植し仮に新種の致命的ウィルスが発生した場合国民健康サービス(NHS)と関係企業に対し巨額の訴訟がおこされる危険性があると警告している。そしてこの病気(新型HIVウィルスをできるという専門家もいる)が世界中に広がると政府が国際法に違反したとして提訴されるだろう。患者も死を選ぶか、一生モニターされ病気が次の世代へ移らないように避妊なしでセックスをしたり子供を作ったりしないことに同意するかの選択をしなければならない。

 

異種間移植を受け入れ易くする為、政府はこの技術に三つの報告作成を委託している。病気が移る危険性と動物の臓器移植の現実性の二つの報告は既に公表されている。三つ目の最も異論の多い書類を作成した著者は、政府の上級役人がそれを発表しない決定をした事を知らせる手紙を受け取った時ショックを受けた。手紙には、報告された調査内容がこの問題についての専門家の意見をの異種間移植中間規制局(UK=IRA)の必要とするものではなく一部はバランスを欠いていると書かれていた。報告を公開しないという決定は、臓器農場を作る倫理観に対する強い不快を表明した動物福祉団体の激しい怒りを買った。

 

共著者のウィリアムソンは、この報告内容が公表されないのはUKXIRAが今後も倫理的に提起された問題に十分な配慮をしないことを意味しているのではないかという。異種間移植の将来を台無しにする最大の可能性は、新型の病気が発生することによる法律問題である。豚の細胞や臓器を人体に移植すると新たなウィルスが出来るという懸念を表明している専門家は多い。豚のゲノムにはたくさんの内生豚レトロウィルスがあって、豚の体内では休止していても人では感染性が出る可能性がある。実は、異種間移植はイギリスやアメリカで禁止されているのだが政府の監督機関は企業からの実験申請を許可し続けているのだ。

 

豚の臓器が即座に拒否されないように遺伝子組み換えしたクローン子豚の誕生後二年以内に動物から人間への移植実験が始められるとPPLセラピューティックス(クローン羊ドリーの背後にある会社)が発表したことで希望がつながっている。だが、PPLは異種間移植事業を売却しており、一連の後退で閉鎖する見込みである(医用動物業の廃業、このシリーズにある(5)を参照)。保健省の広報官によると、UKXIRAは最近の展開を考慮した更なる見直しが必要か検討しているという。

 

ISISは、2000年に「異種間移植ー劣悪科学と大企業が世界にウィルス蔓延をもたらす」という詳細な報告書を出している。そして、そこにある結論と警告が確認されたのである。

 

出典;無視された豚臓器移植の疑念:マーク・タウンゼンド、ザ・オブザーバー、6292003

 

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医薬動物業の廃業

 

ドリーのクローンに力を発揮した企業が次々と技術的混乱の中で生き残りに苦戦。メイワン・ホーが報告。

 

六年前クローン羊ドリーで大成功したPPLセラピューティックスは、提携先であるドイツの巨大薬品企業バイエルがPPLの主要プロジェクトだった気腫の治療薬組み換えアルファー1抗トリプシンの開発を保留したと発表した。これに伴いPPLはイギリスとニュージーランドの従業員140-165名を解雇し、4200万ポンドの生産工場計画を取り止めると発表した。会社事態が危ないと分析筋はいう。

 

1989年に設立された時、PPLは乳の中に治療用の蛋白質を出す遺伝子組み換えの羊や牛のクローンを大量に作る計画をしていた。しかし、ここ数年でドリーを作り出した体細胞核移植クローン技術に克服困難な問題が起こるなどのためいくつかの事業の売却を余儀なくされている。このシリーズ"http://www.i-sis.org.uk/DSFC.php">Deathを参照。去る九月には幹細胞プロジェクトを廃止し、今年四月には異種間移植事業を売却している。(このシリーズの豚の臓器移植が効果で危険http://www.i-sis.org.uk/POTDC.php">Pigを参照)PPLの株価は1990年代には四ポンドだったのが今では六ペンスである。

 

PPLの社長ジョフ・クックは、株主が投資の回収には会社の残り資産を売却することが一番だと決め兼ねない状況だという。この間、イースト・ロシアンの二つの農場では最大3000頭の組み換え羊の屠殺が

開始されている。動物は内務省の厳しい通達で環境リスクを避ける為屠殺当日に焼却しなければならず、肉は食料として売れないことになっている。

 

出典:金の羊毛が作れない羊 グレチェン・ボーゲル: サイエンス 2003, 300,2015-6.

組み換えミルクが出ずにドリーの会社が危機 ジェニー・ホーガン,ネーチャー2003, 423, 907.

ドリーの会社が大量屠殺を開始http://www.thescotsman.co.uk/index.cfm?id=768342003

 

 

 

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