BTコーンとスターリンクの共通性
地球の友(アメリカ)
ビル・フリーズの手紙
2,001年10月2日
訳 山田勝己
Btコーン3品種の中2品種のCry1Ab蛋白は、スターリンクのCry9Cの持つ消化液中での安定性や耐熱性というアレルギー蛋白の特徴を備えていることが3回の検査中2回の検査で証明されている。第3のパラメーターである既知アレルゲンとの類似性については(モンサントから)データが出されていない。以下に私が指摘するのは1994年と1995年に出されたモンサントの資料を私がチェックした結果である。
1) Cry1Ab(モンサントとシンジェンタのBtコーン)はCry9C(スターリンク)と同様の消化液中での安定性を示している。 これは、Bt蛋白専門家のヒュバート・ノートボーンのCry9C試験(pH=2)とアベンティス(pH=1.5)の比較のためのCry1Abを含む試験から出ている。 モンサントの最初の消化液中の安定性試験は、僅か2ugのCry1Ab/ml擬似消化液(ノートボーンは 165ug使用)でpH=1.2を使い急速消化(2分間)を見ているだけである。
2) Cry1AbはCry9C(よりは若干低い)と同等の耐熱性を持っている。 これもノートボーンのCry9C試験による。
3) モンサントのBtコーンは組み換えの失敗作である。モンサントは、92kD蛋白(訳注:蛋白質の分子量が92000であるということ)を産生すべく意図したCry1Ab遺伝子全長の一部(2/3−3/4)しか組み込めていない。 問題は、モンサントが92kD蛋白の検出が上手く行かないので、大腸菌由来の“トリプシン分解コア(分解しないで残ったもの)”=63kDに対して試験していることだ。また、違う作物系統や組み換え内容のデータをこじつけて関連させたり不適切な“試料同等性”研究、そして勿論Bt蛋白のN端末から5−15以降のアミノ酸の配列を決めていない、という問題もある。
4) 完全長のCry1Ab/Cry1Acと各々のトリプシン分解コアには免疫性に違いがある。
5) EPAは既知のアレルゲンや毒性物質に対するBt蛋白のアミノ酸配列の相同性を示すデータを持っていない(最新のマイコジェンのCry1F以外は)。 従ってEPAは新規蛋白のアレルギー試験の標準プロトコル(ILSI意志決定ツリー)を守っていない可能性がある。
以上のことから、EPAはアメリカ以外の科学者やBtコーンを欲しない一般の人々から意見を聞く必要がある。どうかEPAに意見を送って下さい。