Btトウモロコシの利用に専門家が疑問
ジュリアン・ジョンストン
Agweb.com
2001年6月27日
抄訳 河田昌東
2001年5月号の研究ジャーナル、「BioSicence:バイオサイエンス」は、Btトウモロコシの広範囲に及ぶ使用で、殺虫剤使用量の減少と有意の増収をもたらさなかった、と疑問を発した。
研究リーダーの科学者は、Btトウモロコシについて、より包括的な試験が必要だ、と発言している。
同科学者によれば、 Btトウモロコシの使用を許す現在の規則は、特定の昆虫に限った非常に狭い毒性の利用を許可している。
論文の著者、アイオワ州立大学の昆虫学者ジョン・オブリスキー、およびコーネル大学のジョン・ロージーは、害虫駆除を目標としたアワノメイガへの効果だけでなく、非標的昆虫のオオカバマダラチョウの幼虫や虫媒昆虫、および他の微生物をも含むテストと承認が必要だという。
論文のタイトルは「遺伝子組換え殺虫トウモロコシ:殺虫毒性を超えて生態系の複雑さへ影響」は
昆虫および他の微生物へのBtトウモロコシの影響を詳細に述べた最新の研究のレビューである。 それはまた、米国中西部各州の、Btトウモロコシの播種量、殺虫剤の使用割合、および作物の収量の研究を調べている。 殺虫剤について著者は、「遺伝子組換えジャガイモや綿と違い、遺伝子組換えトウモロコシの使用では、中西部のトウモロコシ生産地域のほとんどで殺虫剤使用量は減っていない」といっている。「Bt
の作付けは、殺虫剤に取って代わったのではなく、それに追加されただけである。」
オブリツキーは、「私達は、アワノメイガを駆除するという点では、Btトウモロコシは限られた役割しかない−すなわち、もしメイガ数が相当多かったならばそれを使えば良いが」と付け加えた。「中西部の面積の20パーセントから30パーセントにまでBt作物を植えることは、過剰殺傷である。
それは、トウモロコシの価値とメイガの重要性を比べれば必要無いものだ」
「これは非常に強力なテクノロジーであり、他の昆虫には有益であるかもしれないが、それを、本当に米国中西部で利用する価値があるのかどうか?」「
過去2年から3年のデータに基づく私達の観点からすれば、その答えはNo.である」