アメリカ合衆国はBSEに関する世界保健機関のガイドラインに背き続けている

http://www.organicconsumers.org/madcow/Greger.pdf

 

マイケル・グリーガー 医学博士

2004年1月23日

訳 小森冬彦

 

BSE(牛海綿状脳症)すなわち狂牛病が人類にまでまん延するのを防止するために世界保健機関(WHO)が通知した4つの具体的な推奨事項を、アメリカ合衆国はことごとく踏みにじっている。おそらくアメリカでは、牛の脳の検査が不十分なために何百ものBSEの症例が見逃され、死亡した認知症(痴呆症)患者の脳の検査も不十分なために何百ものヒト海綿状脳症すなわち孤発性クロイツフェルト・ヤコブ病の症例が見逃されている。最新の研究では、こうして見逃されている孤発性クロイツフェルト・ヤコブ病の症例中には、BSEに汚染した牛肉を食べたことが原因の事例もあるだろうとの指摘がなされている。WHOと国連食糧農業機関(FAO)が発表したガイドラインに従い、科学に基づきヨーロッパで有効性が証明された安全措置を法制化して、例えば屠畜場から出る廃棄物や血液や排泄物を家畜に餌として与えることを全面的に禁止するとか、BSEとCJDに対するサーベイランスの検体数を大幅に増やすなどの方策を実行しない限り、アメリカの食物供給の安全性は問題をかかえた状態のままである。

 

 

 

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