デモインレジスター
2002年12月5日
フィリップ・ブレイシャー
ワシントン局 ワシントンD.C.発
訳 森野 俊子
バイオファームでの失敗によりブッシュ政府窮地に立つ
農務省はバイオトウモロコシへの規制を強める見込み、と長官語る
USDAはバイオ作物の監視を強化するよう食品加工業者らの圧力に直面
「ブッシュ政府は食料用作物への汚染を防ぐため、医薬用作物の監視を強化することになろう」
と水曜日、農務省長官アン・ベネマン氏は述べた。「われわれは(バイオテク産業の)成長を鈍らせたくはないが、しっかりした信頼できる規制システムをもたねばならない。」と彼女は語った。農務省は、バイオ作物、主にトウモロコシの植付け規制と追跡調査をともに強化するよう食品加工業者たちの激しい圧力を受けてきた。トウモロコシは、ワクチンや他の医薬品を産生するよう遺伝子操作される。
バイオテクノロジー産業機構は、先月、アイオワ州や他のトウモロコシ地帯では作物をもはや栽培しないと発表した。しかし、それは上院財政委員会の後任共和党議長であるアイオワ州上院議員チャールズ・グラスリー氏の批判を受けた。そして火曜日、その栽培中止を取り消した。
バイオテク産業機構は、合衆国農務省により実施されるいかなる規制も遵守する旨を伝えた。
ベネマン氏は、農務省がどんな新規制を設けるかについて具体的には論議しようとしなかった。8月にUSDAは、作物を食料用のものから遠ざけておくためのいくつかの提言を折りこんだバイオテク会社に対する新しいガイドラインを提唱した。
提案例:バイオ作物の色や葉の形を変えること。あるいは、トウモロコシが人や動物の食用に供されることのない地域だけで、医薬品や産業用のトウモロコシを栽培すること。
以上の提案は、今週バイオテク機構により提唱された対策と似ている。
ベネマン氏は、業界誌ファームジャーナル後援の会議で、農務省はバイオテク規制に反する会社に対しては告訴すると誓約した。
USDAは、アイオワ州とネブラスカ州の旧試験圃場での管理の失敗により、プロディジーン社に罰金を課すことになろう。そこでは、いくばくかのバイオトウモロコシにより汚染されたと思われる50万ブッシェルの大豆が没収された。
プロディジーン社との和解は今日にも公表されるだろう。「われわれは消費者の信頼を害することなく、適切に規制システムを設けることを確実にする必要がある。」とベネマン氏は述べた。
食品産業を代表する業者団体は、火曜日、バイオ産業の中西部での医薬用トウモロコシ栽培中止取り消し決定に対して慎重な態度をとった。しかし団体は、バイオ作物が食料用作物に紛れ込まないことを確かにする作物規制を設けるよう、 バイオ業界とブッシュ内閣に強く要望していく、と述べた。
食品会社は、2年前のスターリンクトウモロコシ汚染事件、このときは無認可のトウモロコシがタコスの皮に検出され、大量の商品回収に至ったのだが、その二の舞を演じたくはない。
「われわれの立場は変わらない。含有物の100%保証がなくてはならない。」と北米製粉業者協会の副会長ジム・ベア氏は断言した。
キャンベルスープやクラフトフードのような会社を代表する全米加工食品業者協会の執行部副会長ローナ・アップルバウム氏は、当業界はバイオ作物が食料用作物を汚染しないよう「100%保証」を要求すると述べた。
食品業界の懸念があるにもかかわらず、バイオ会社は技術の新たな使用を追い求めるのをやめようとしない。スイスの農業薬品メーカー大手であるシンジェンタAG社は、植物による医薬品開発を促進するため、水曜日、合衆国の医薬品開発会社ダイバーサ社との協定を発表した。シンジェンタの重役デイビッド・ローレンス氏は、この提携はわが社を業界の鋭利な刃物にしつづけるだろう、と述べた。
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