有機消費者協会と関連団体が医薬用作物で農務省を提訴
2003年3月5日
緊急記者発表(ワシントン発)
訳 河田昌東
今日、消費者団体、環境団体、農民団体は合衆国農務省(USDA)を相手取り、医薬用作物栽培中止を求めて提訴すると発表した。これは医薬品用や工業化学薬品をつくる遺伝子組換え作物についてである。この連合はUSDA相手に60日以内に連邦裁判所に訴訟を起こす、という手紙をUSDAに出した。この通知にはUSDAが必要な環境安全性の研究を怠り医薬用作物の野外試験を許可したのは違法だとしている。「環境と人間の健康へのリスクは現実的だ。これらの実験的遺伝子組換え作物を、必要な分析も無くわが国の農場に栽培するのを許せば、USDAは、環境と我々の健康への数多い医薬品や化学物質による永久的な汚染のリスクを負うことになる」と食品安全センターのスタッフ弁護士ピーター・ジェンキンスは言う。
請願を行った団体は、食品安全センター、農薬を超えて、エドモンド研究所、地球の友(FOE),グリーンピース、農業と貿易政策研究所、テクノロジー・アセスメント・国際センター、全国ファミリー・ファーム協会、有機消費者協会、農薬アクション・ネットワーク、合衆国公益研究グループ、の各団体である。この法的行動はアイオワとネブラスカで未知の医薬品又は工業化学薬品を作るように遺伝子組換えされたコーンによるバイオ汚染が最近起こったことに伴って行われた。
02年11月17日、農務省はプロデイジーン社による2件の遺伝子組換えコーンによるバイオ汚染があったと発表した。汚染した在来大豆とコーン畑が隣接していたのである。農務省は現在新たなバイオファーム規制を作りつつあり、数週間以内に公表する予定である。数多くの団体が農務省の現行のバイオファーム規制に批判的で、USDAの新しいガイドライン又は規制が全く不十分であるとして法的行動を取った。バイテク企業はこれまで1991年以来国内で300件の野外試験を行った。これらの団体は今日、アメリカのコーン供給にすでに遺伝子組換え医薬品による汚染が起こっている、として行動を起こした。02年12月16日、いくつかの団体がUSDAに対して全ての医薬用(ワクチンなど)や工業用化学薬品、あるいは人間の健康に有害と思われる遺伝子組換え作物の開放圃場栽培を禁止するよう要求して請願した。USDAに出された請願の内容は:
1)
ワクチンなどのような医薬品用、工業用化学薬品用、その他人間の健康に影響を与える全ての遺伝
子組換え作物の開放圃場での栽培許可を停止する。
2)
化学薬品又は医薬用遺伝子組換え作物を少なくとも非食用植物に限定し、食品への汚染の危険を与 えないようにすること。
3)
化学薬品用及び医薬用遺伝子組換えの非食用作物の栽培は室内で行い、その取り扱いや廃棄物の処分をコントロールできる追跡システムを確立し、環境への混入を阻止すること。
4)
バイオ医薬品生産用の戸外に代わる安全な対案を追求すること。 「開放圃場における栽培試験を続けるいかなる農務省の政策もアメリカの食糧供給に汚染の危険がある」と地球の友の健康と環境計画部長のラリー・ボーレンは言った。
●連絡先:Ronnie Cummins (218) 353-7454 Joe Mendelson,
CFS (202) 547-9359
(医薬品バイテク作物で農務省を告訴する会)