米国産牛肉の安全性評価 問題の焦点は米国のBSE汚染度だ
05.10.27
10月24日の食品安全委員会プリオン専門調査会会合で、国産牛肉・内臓と米国・カナダ産牛肉・内臓は同等に安全かどうかという諮問への答申案の第三次”たたき台”(吉川座長作成)
(http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/p-dai33/prion33-siryou3.pdf)が議論された。
このたたき台の結論は、「日本で年間に処理される全年齢の牛に由来する食肉・内臓と輸出プログラムの条件(全頭からのSRMの除去、20ヵ月齢以下の牛)等が遵守される場合の米国・カナダの牛に由来する食肉・内臓のリスクレベルについて、生体牛の背景リスク及び食肉・内臓のリスクを比較した場合、月齢判定による上限を越えない範囲では、そのリスクの差は極めて小さいと考えられる」というものだ。
安全レベルは「同等」とは明言していないが、事実上、「同等」だと言ったものと受け取ることができよう。「牛及び牛の内臓の汚染リスク総括」では、「日本向け輸出プログラム条件が遵守されれば、BSEプリオンによる汚染の可能性は非常に低いと考えられる」としており、これがこの結論の根拠であろう。
吉川座長はこの日の会合で合意を得て、この問題に決着をつけるつもりだった。しかし、一部委員から異論が出され、かつ欠席委員もいたことから決着は先延ばしされたという。食品安全委員会は、急遽、10月31日に再度会合を開くことに決めた。11月の日米首脳会談に間に合うように、ここで最終決着を図ろうとする政治的意図が丸見えだ。
しかし、このような結論で多くの消費者が納得できるだろうか。議事録が未公表なので、また筆者も傍聴はしていないので、この会合でいかなる「異論」が出たのか、正確には知ることができない。一部マスコミの情報では、主な異論は、20ヵ月齢以下の牛と確認できるのかどうか、と畜・加工過程で特定危険部位(SRM)が完全に排除できるかどうか、輸出プログラムの条件は実際に遵守されるかどうか分からないということのようだ。しかし、異論がここにとどまる限り、最終的結論が動かないのは明らかだ。それはリスク管理者が保証すると言えばクリアできる問題で、政治決着の何の障害にもならない。それは”技術的”問題にすぎないとも言える。
根本的問題は、輸出プログラムが遵守されれば、つまり20ヵ月齢以下の牛であることが確保され、かつSRMが完全に排除されれば、リスクは「極めて小さい」と言えるのかどうかということだ。問題の鍵は、この結論の可能にした「生体牛の背景リスク」の評価、すなわち、@米国(及びカナダ)にはどれほどの感染牛がいるか(BSE汚染度または汚染量はどれほどか)、Aそれはどのように変化するか(増加を続けるのか、減るのか)ということだ。BSE対策の基本原則が感染牛のすべての組織(SRMに限られない)を飼料・食物連鎖から排除することにあるということがしっかり認識されていれば(このことについては、一部のイデオローグを除けば、コンセンサスがある)、焦点はこんな”技術的”問題でないことは明らかだ。
事実、このたたき台の結論は、「生体牛の背景リスク」の評価を最大の根拠にして導かれたものだ。それは、
@21ヵ月齢以上の牛は完全には排除できない可能性があるが、そもそも感染牛の頭数が少ないから、この群に感染牛が含まれる確率は極めて低い、
Aと畜前の検査で異常牛が見逃される可能性は否定できないが、20ヵ月齢以下の牛では異常を呈するものはほとんどいないだろうから、この可能性も極めて低い、
B米国では健康牛のスクリーニング検査がないから検査によるリスク回避は不可能だが、20ヵ月齢以下の牛の感染が検査で発見される可能性は非常に少ないからこれも問題にならない、
ということを根拠に、牛肉・内臓の汚染リスクは極めて小さいという結論を引き出している。
しかし、このような「生体牛の背景リスク」評価は妥当なものなのか、もしこれが間違っているとすれば、この結論も間違っていることになる。米国の生体牛のリスクに関しては、たたき台は、BSEの外国からの「侵入リスク」、国内での「暴露・増幅リスク」の評価、さらには「サーベイランスによる検証」に基づき、感染牛の数は絶対数で米国が日本の5-6倍、「100万頭あたりのBSE汚染頭数は、・・・米国は[日本に比べて]やや少ない」と結論する。何故こういう結論になるのか、評価のプロセスを見てみよう。
先ず、「侵入リスク」の日米比較については、文末に掲げた表1を参照されたい。
最大の問題は、米国が生体牛・肉骨粉・獣脂を大量に輸入するカナダからの侵入リスクを完全に無視していることだ。カナダでは1993年に英国からの輸入牛のBSE感染牛が発見されている。当時、飼料規制はなかったし、サーベイランスも頼りにならなかっただろうから、英国からの輸入牛を通して、このときには既にBSEの国内リサイクルが始まっていたかもしれない。EUの評価でも、カナダは米国と同等のBSEリスク国だ。米国農務省(USDA)自体、カナダに近い米国北部地域、特にワシントン州・アイダホ州・モンタナ州は、伝統的にカナダ西部から多数の牛を輸入してきたし、高リスクの肉骨粉の一部も受け入れてきたから、BSEに暴露された高度のリスクがあると考えることができると言っている(米国北部に高度のBSE暴露リスク、米国農務省報告)。それにもかかわらず、カナダからの侵入リスクを無視することは妥当なのだろうか。
第二に、英国以外の欧州諸国からの輸入生体牛・肉骨粉の汚染度を英国の1/10に割り引いている。EUの評価(米国の地理的BSEリスクの評価に関する作業グループ報告)によると、この中には、既にBSE発生率が高発生国並みに高かったかもしれないアイルランドからの162頭の輸入生体牛も含まれる(米国側の統計)。アイルランドでは80年代末からBSEが確認されており、90年代を通して英国に次ぐ発生国だった。そして、2001年から30ヵ月齢以上の健康牛、24ヵ月以上の死亡牛・緊急と殺牛などの全頭検査が始まると、とたんに感染確認数は急増、2002年には333頭の感染が確認され、発生率は高発生国のレベルに近づいた。飼料規制、サーベイランスが不十分だった以前には、それ以上の発生率だったかもしれない。欧州諸国の汚染度を一律に1/10とすることの妥当性が疑われる。
従って、米国の侵入リスクは日本の6−7倍、ただし、乳牛の感染率は肉牛の約4倍だから、実際には米国のリスクは日本の1.5−1.8倍、全体として「輸入生体牛のリスクを重くみれば、米国が日本の約1.5−7倍」とする結論は、実際のリスクとかけ離れている恐れがある。
暴露・増幅リスクの評価の詳細は表2に掲げる(文末)。これについては、飼料規制、遵守状況と交差汚染の可能性
、SRMの利用にかかわるほとんどすべての面で米国のほうがリスクが高いと評価されている。
ただし、ミンク脳症とシカの慢性消耗病からくるリスクについては、これらの感染動物がBSEを伝達するという証拠はないし、ミンクの蛋白質を牛に与えることや、反芻動物用に動物をレンダリングする施設がシカとヘラジカを受け入れることは禁止されているから、リスクは低いと事実上無視している。前段については、ミンクが非定型BSE(症状は死ぬ直前まで現れず、脳の病変も英国型と異なる)を牛に伝達したという報告もあり、科学的にはまだほとんど分かっていない。後段についても、これらの動物がレンダリングに入っていることは確認されており、仮にその製品を反芻動物飼料成分として利用することはないとしても、交差汚染の可能性は否定できない。
また、代用乳等に使われる獣脂のリスクはまったく無視されている。侵入リスクではこれもリスク要因として考慮はされているから、暴露リスクの評価でこのリスク要因を除外したのは不可解だ。あるいは、獣脂に感染性はないと断定してのことかもしれないが、それならば何故侵入リスク評価でこれを取り上げたのか分からない。実際には、米国のレンダリングにはSRMが入り、米国のレンダリング工程も感染性を減らす(あるいは病原体を不活性化する)には不十分である(加圧なし)ことから、獣脂に感染性はないとは言い切れない。
しかし、このようなリスク要因が無視されたとしても、米国の暴露リスクが日本よりも高いことははっきりしている。それはたたき台も認める。ところが、いかなる根拠によるものか、米国の生体牛汚染は、「楽観的には我が国と同等、悲観的には10倍くらい高い可能性が考えられる」と結論する。最悪でも10倍程度なら、既に述べた三つの理由により、牛肉・内臓の汚染リスクは極めて小さいと結論できると踏んだのかもせいれない。
これを裏づけようとしたのだろう。米国農務省監査局も信頼できないとする米国サーベイランス結果に基づき(日本のサーベイランス結果も死亡牛隠しなどで必ずしも信頼できないが)、日本の感染頭数は年間6-7頭、米国は日本の5-6倍と計算、これを母集団で補正して年間100万頭あたり感染頭数は日本が5-6頭、米国は約1頭とした。これで、侵入リスクも、暴露リスクも日本よりも高い米国の汚染度が日本よりも低いことになってしまった。こんな”科学的”評価は誰も信じられない。科学的とされる”定量評価”は、実際にあり得るリスクを割り引く手段としてしか機能していない。
とはいえ、この汚染度が永続不変とはいえないだろう。EUの評価は、「レンダリングまたは給餌に大きな変化がないかぎり、安定性は極度/非常に不安定なままになる。従って、牛がBSE病源体に(発症、または発症前の状態で)感染している確度は高まり続ける」と言う。こんな懸念を打ち消すために、根拠がまったく不明な”仮定”に基づく「暴露・増幅リスクのシナリオ」を描く。
感染牛1頭の感染価は8000ID50(50%の確率で8000頭が感染)、感染価の99.4%はSRMにあると考えられているから、すべてがレンダリングにまわる。しかし、「通常のレンダリングでは感染価は1/100に減少する」と考えられるから、1頭の肉骨粉の感染価は100ID50と考えられる。「交差汚染の確率を明らかにするのは困難であるが、合計で10%とすれば、牛に戻る感染量は約10ID50になる」。こうすることで、「牛がBSE病源体に感染している確度は高まり続ける」のではなく、現在の飼料規制やその有効性を前提としてさえ、それが減少過程に入ることもあり得ると示唆している。
EUの評価では、加圧がない米国のレンダリング工程では感染性は大きく減らすことはできないとされている。たたき台は、米国の現実のレンダリング工程で感染性がどれほど減るかを一切検証することなく、「通常のレンダリングでは感染価は1/100に減少する」と仮定している。また、「交差汚染の確率」など、神様以外に誰も知ることはできないだろう。
31日のプリオン専門調査会の議論は、このような「生体牛のリスク」の評価の妥当性にこそ焦点を当てて欲しい。現在の科学的知見では数値化が難しいリスク要因(例えば、感染牛のSRM以外の組織のリスク)も、リスクを言葉で表現する”定性評価”ならば、十分に評価結果に反映され得る。しかし、”定量評価”の結果にはまったく反映されない。それが評価の”主文”の実質的根拠をなすならば、消費者がまったく信用できない”リスク管理”、米国産牛肉・内臓の輸入再開を正当化するだけの結果になることは明らかだ。たたき台の侵入リスク、暴露リスクの評価によるだけでも、国産牛肉・内臓と米国・カナダ産牛肉・内臓は同等に安全ではないと結論できるはずだ。そうでなければ消費者は納得しない。
最近の朝日新聞の世論調査結果では、米国産牛肉の”「輸入が再開されたら食べたいと思うか」という質問には、67%の人が「食べたくない」と答え、昨年10月調査の同じ質問に対する63%を上回った。一方、「食べたい」と答えた人は昨年の28%から23%に減った”という(http://www.asahi.com/life/update/1025/010.html)。これは、この間の食品安全委員会の議論への不信がますます高まっていることを意味しよう。
表1
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米国 |
日本 |
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たたき台 |
EU評価 |
たたき台 |
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生体牛 |
英国牛:323−327頭(1980−90年代)、うち117頭は廃棄。従って、リスク要因となるのは206−210頭。ただし、輸入牛の96%は肉牛。 英国を除く欧州牛:563−1762頭。このうち66または51頭はリスク要因から除く。497−1711頭がリスク要因。英国以外の欧州牛の汚染度は英国の1/100で、英国牛換算で5−17頭。 カナダ牛:80年代16−60万/年、90年代100万/年。カナダの汚染度を考慮、リスク要因から除外。 日本牛:一切考慮なし。 総合:リスク要因は211−227頭(英国牛換算)。 |
英国牛:323−327頭(80−89年)、カナダ経由で10頭(90、91、92年)、うち117頭は廃棄。80年代に輸入された173頭は最終利用に関する情報がなく、リスク要因。ただし、輸入牛の96%は肉牛。 英国を除く欧州牛:460(米国統計)−1633(EU統計)頭。うち66頭はレンダリングに入らず。リスク要因は、394−1567頭。 カナダ牛:年間23万500−170万頭。80%は肥育・と畜用として、4万7000−34万がリスク要因。 日本牛:242頭。最大39頭がレンダリング。 総合:47,606−34万1806頭。 |
英国乳牛33頭、ドイツ乳牛16頭(英国牛換算で0.16頭)。 総合:33.16頭(英国牛換算) |
日米比較(たたき台):米国のリスクは日本の6−7倍。ただし、乳牛の感染率は肉牛の約4倍だから、実際には米国のリスクは日本の1.5−1.8倍(6−7/4)。 |
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肉骨粉 |
英国:5−80トン。1989年の39トンは英国統計で確認できないため、97−99年の77トンは非哺乳動物由来のためにリスク要因から除外。従って、リスク要因となるのは5−24トン。 英国以外の欧州:684−2129トン(1980−2003年)。英国肉骨粉換算で6.84−21.29トン。 |
英国:5(米国統計)−140トン。89年の39トンは英国統計で確認されないため、また97−99年の77トンは非哺乳動物由来のためにリスク要因から除外。従って、リスク要因は5−24トン。 英国以外の欧州:米国統計によると、デンマーク、フランス、イタリア、オランダから輸入された。米国は哺乳動物由来でないと主張しているが、実証されない。EU統計では、その他、ベルギー、ギリシャ、アイルランド、スペインからも輸入されている。 |
英国:ゼロ。95−2000年の骨粉等9000トンは高温・高圧処理済み。 |
カナダ:22万7572−40万5863トン。ただし、リスク要因として一切考慮せず。 |
カナダ:年間1万8000−4万4000トン。 総合:カナダ以外のリスク国から689−2230トン。 |
カナダ:考慮外。筆者の調査では89−2000年に9483トン。 総合:560トン(英国肉骨粉換算)。 |
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日米比較(FSC):米国のリスクは日本の1/12−1/47。 |
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獣脂 |
ほとんどがカナダからの輸入。「米国の侵入リスクに大きく影響したとは考えにくい」。 |
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オランダから1245トン。 |
日米比較(FSC):リスクは日本の方が高い。 |
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小括 |
「輸入生体牛のリスクを重くみれば、米国が日本の約1.5−7倍」 |
表2
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米国 |
日本 |
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たたき台 |
EU評価 |
たたき台 |
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飼 |
97年8月以来のフィードバンにもかかわらず、反芻動物由来蛋白質の豚・鶏への給与を禁止しておらず、鶏飼料の残渣、豚飼料の残飯などを牛に給与するのを禁止していない。 牛由来の血液・血液製品、残飯等の使用規制、すべての動物用飼料原料から特定危険部位(SRM)、歩行困難牛、死亡牛の排除、飼料製造施設の専用化等交差汚染防止対策の強化などは提案されただけで実現していない。 |
(いくつかのタイプの)哺乳動物肉骨粉(MMBM)を反芻動物に与えることの禁止が97年8月に行われた。専用の(単一種)レンダリング工場からの純粋の豚と馬の蛋白質(MBM)が許される禁止の例外が与えられた。このMMBMは、現在も牛に与えられている可能性がある。 従って、このフィードバンは反芻動物→反芻動物の禁止である。 |
96年4月に通達、2001年10月に完全飼料規制を法律化。 |
日米比較:現時点で20ヵ月以下と考えれらる2004年以後生まれの牛の汚染は、米国のほうが日本より数倍高いと考えられる。 |
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遵 |
飼料工場については、1997年に器材・施設の分離、製造工程の洗浄が義務付けられた。しかし、通常の洗浄では製造工程の汚染の完全除去は容易でない。 2005年5月現在、レンダリング工場の80%、飼料工場の99%が専用化されている。 飼料規制の順守状況については、2004年7月、2005年6月の調査で約99%の順守率となっている。流通・農家の規制遵守度は97.1%であった(2005年6月の調査)。 鶏飼料の残渣、豚飼料の残飯などを牛に給与するのを禁止していないために交差汚染の可能性が考えられる。 2005年のGAO報告では、飼料規制は改善されているが、「その実効性は限界が見えており、引き続き、米国内の牛をBSE蔓延リスクにさらしている」と述べている。 「現在の飼料規制のもとでは一定の割合で交差汚染が起こるものと考えられる。」 |
米国の動物生産と関連部門は大規模産業であり、高度の専門化が可能、多くの農場と屠畜・レンダリング・飼料生産工場は一つの種に専用化されている。これは大規模な交差汚染のリスクを減らすが、多くの混合農業をもつ地域にはこれは適用されない。 非反芻動物MBMのRMBMとの交差汚染は、理論的には、レンダリングから飼料工場へのこの物質の輸送がバラ積みで、同じ輸送手段で行なわれるときには、いつでもあり得る。これが排除できるかどうかは不明。 多くの飼料工場が同じ生産ラインで様々な種のための配合飼料を生産しているから、飼料工場での交差汚染があり得る。80-01年の混合飼料工場で生産される牛飼料の量の推定を可能にする米国における飼料産業の構造に関するデータは、米国当局が提供しなかった。飼料工場検査に関する情報は、03年までに、産業の非常に小さな部分でこの問題が発見されたことを示している。 97年以来、食品医薬局(FDA)は、反芻動物飼料生産における分離したラインの使用か、生産一回ごとに使用される詳細な洗浄手続を定めた。しかし、ヨーロッパの経験は、このような洗浄等が交差汚染を減らしはするが、排除できないことを示している。要求された措置の効果は、詳細なコントロールのデータがなく、この目的でサンプルが採られていないから、評価できない。 RMBMを含む飼料には反芻動物に与えてはならなという表示があるが、農場での交差汚染があり得ると見なされる。 従って、無理のない最悪のシナリオとして、牛、とくに乳牛は、RMBMが飼料連鎖に入る以上、今なおRMBMに、従ってBSE感染性に曝されていると想定される。 |
通達初期の遵守状況は米国と変わらないが、2001年10月以後は肉骨粉使用禁止・輸入禁止、牛由来の肉骨粉・SRMの焼却が法律化され、交差汚染防止、製造過程のライン分離に関する遵守状況の検証では、667業者を対象とする1618件の飼料検査で1件の違反が見つかっている。 飼料製造ラインの分離、施設の分離は2005年3月末に完了した。 2004年1月の時点での飼料のリスクはほとんどないと考えられる。 |
S |
30ヵ月以上の牛のSRMは食用から除去しているが、除去されたSRMはレンダリング後、豚・鶏の飼料として利用されている。 これは、農場死亡牛、ダウナーカウ、異常牛、30ヵ月以下の健康牛でも同様で、すべての牛由来のSRMが飼料に利用されている。SRMの飼料利用禁止については、国際調査団も強く勧告している。 |
人間食料についてのSRM禁止は04年に導入された。しかし、飼料連鎖のSRM禁止はない。 SRMは他の屠畜副産物と一緒にレンダリングされ、独立レンダラーの場合には死亡牛も一緒にレンダリングされる。 |
すべての年齢の牛のSRMを焼却。 |
ミ |
伝達性ミンク脳症からくるリスクは牛とミンクの間でBSEが伝達するという証拠はなく、1997年にはミンク由来蛋白質を牛に給与することが禁じられたから、この病気から牛が感染するリスクは非常に低い。 鹿慢性消耗病から牛が感染するリスク については、やはり伝達するという証拠は なく、1997年のフィードバンで反芻動物用に動物をレンダリングする施設はシカとヘラジカの受け入れを禁止されているから、やはり非常に低い。 |
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