バイオ帝国主義−バンダナ・シバ
地球島ジャーナル
2002年12月22日
訳 山田勝巳
食べ物への思い:GM食品
バンダナ・シバ
遺伝子操作食品は、デモクラシーと真実の実験場になった。
世界中で、消費者は選択の自由の行使と情報を与えられた選択をする権利を望んでいる。 自由社会の自由市民の民主的権利として義務表示法は交渉の余地のない要素である。 バイテク業界が自主表示へ譲歩したのは、彼らが消費者の望まないものを押し付けてきていたことを認める証だ。 消費者の知る権利、選択の自由に基づく本来の「自由市場」ではGMを売ることが出来ないので、知らない消費者に望まない製品を強要する押し付け市場を作り出す必要がある。
GMOは飢餓を無くす奇跡の妙薬の筈だった。 しかし、広まったのは除草剤耐性とBt作物だった。 どちらも収量を増やすGM特性ではない。 それどころか、スーパー雑草とスーパー害虫を増やして農薬の必要量が増えてしまう。 遺伝子汚染で生物多様性が壊される。 特許占有で農民の生計と自由を奪い、更新不可能な種子に依存させる。GM作物は、環境に害があり、農民に害があり、消費者に害がある。 作付面積が増えるのは、有機農業やエコ農業のような代替農業よりも優れているからではなく、監督機関が腐敗しているからであり、科学研究が操作されているからであり農民が騙されているからである。 モンサントへBt綿の商業栽培許可が2002年3月26日に下りたのは、グジャラト州で10,000エーカーのBt綿の焼却を命じた数ヵ月後のことである。
我々は、市民として、科学者として、エコロジストとして、生産者として、消費者として、我々の自由を守らなければならない。 我々の結束が、バイテク業界による新たなバイオ-帝国主義に対する防衛である。
真理が我々の力だ。(Our truth is our power.)
* シバ博士は、インド、ニューデリーの科学技術生態研究基金の代表