新たなスーパー雑草の確認

GM遺伝子伝達に衝撃を隠せない研究者達

ポール・ブラウン 

ザ・ガーディアン 

2002年8月15日

訳 山田勝巳

 

遺伝子組み換え作物との交雑によって生存適性が向上した雑草によって、一般作物の汚染を防ぐことが困難化若しくは不可能になることが懸念される。アメリカでヒマワリを、フランスで砂糖大根を調査している二組の別々なチームによって雑草がGM作物と遺伝子を簡単に交換していることが示された。

 

アメリカでは雑草種とされている野生ヒマワリが、種子を食害する蛾に抵抗性のあるGMヒマワリと交雑して害虫抵抗性が増し、野生種より種子量が50%増えることが分かった。

 

オハイオ州立大学の研究チームを率いるアリソン・スノウはニュー・サイエンティストに結果がショックだったことを告白している。「全てのGM作物が危険だという証明ではないが、雑草にとって遺伝子は重要な物で一度入り込むと永遠に存続することになる可能性があり、慎重に扱う必要がある。」と話す。 このGMヒマワリを開発したパイオニア・ハイブレッドは、商業販売を断念した。

 

砂糖大根の結果は、野生種とGM品種が遺伝子を交換し、GM植物よりも野生種の方が強勢になることがあることを示している。 科学雑誌アプライド・エコロジーの中でリエ大学(the University of Lille)のチームは、GMビートとビート雑草が遺伝子交換する傾向を軽視しすぎていたと述べている。

 

この二つの結果によって環境団体や有機農家が恐れてきた一般作物のGM作物による汚染や雑草管理が困難化する危険性は一層高まった。 ヨーロッパ、特にイギリスではビートとナタネの野生種があるだけに汚染リスクは高く重大問題だ。

 

環境団体地球の友のGM担当アドリアン・ベッブは、GMビートは現在16カ所で栽培規模で実験が行われており「GM作物の新たな影響がまた出てきた。政府はいつもGM作物の安全性については、健全な科学的アプローチが必要だと強調してきたが、今回の研究を真剣に受け止め、GM作物を野外で試験すべきかどうか検討すべきだ。」と話す。

 

二年前の政府研究では、GM作物が予想以上の距離を移動して一般作物と交雑することが報告されている。GM作物を農村地帯で栽培する影響調査は今年で終わる。

 

 

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