反GMイネ生産者ねっとNo.600
04/08/07
毎日新聞
遺伝子組み換えセイヨウナタネ
四日市港周辺に自生
三重県の四日市港周辺で、遺伝子組み換えセイヨウナタネが自生していることが市民団体の調査で6日、分かった。近くに食用油製造工場があり、輸入されたナタネが搬送される間に種子がこぼれ落ちて繁殖したとみられる。遺伝子組み換えセイヨウナタネは茨城県の鹿島港周辺でも自生が見つかっており、国内の輸入港周辺で広く自生している可能性が出てきた。
調査したのは、名古屋市の「遺伝子組み換え食品を考える中部の会」。鹿島港で自生が見つかったという報道をきっかけに7月下旬、セイヨウナタネが陸揚げされている四日市港周辺で14株を採取。市販の簡易検出キットで除草剤耐性遺伝子の有無を調べたところ、3株が陽性だった。
さらに、3株のうち1株を民間の調査会社に持ち込んで分析を依頼したところ、「遺伝子組み換え体を検出」との結果が得られたという。
同会の村上喜久子さんは「遺伝子組み換え作物が広がっていることに改めてショックを受けた。いったん自然界に出てしまうと、繁殖が拡大するのは止められないのではないか。国は今のうちに厳重に管理してほしい」と話している。
一方、農林水産省技術安全課は「十分管理したとしても、何らかの形で外部に出ることはあり得る。在来種と交雑する可能性もゼロではないが、一般的に雑種は繁殖力が弱く、はびこることはないと判断している」と説明している。【西川拓】
生井兵治・元筑波大教授(受粉生物学)の話 日本で栽培のセイヨウナタネや近縁種と容易に交雑してしまうことがまず問題だ。異種間の雑種の場合、1代目の種子は芽を出さないものが多いが、代を重ねると繁殖する可能性はある。長期的な影響など、遺伝子組み換え作物には分からないことは多く、通常の外来種以上のリスクがあると考えて管理すべきだ。
毎日新聞 2004年8月7日 3時00分
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