米政府がGM食料を拒否するザンビアを非難
afrol ニュース
2002年10月31日
訳 山田勝巳
アメリカ国務省は、ザンビアがGM食糧援助を拒否し続けることに対し、「ザンビア国民を厳しい飢餓の危険に曝すものだ。」として強く非難した。 アメリカ政府は、「我々の申し出た食糧援助を受けないと選択したことは極めて遺憾である。」と発表した。 世界食糧計画などの国連機関を通して送られた充分な量の食糧援助が、今週またもザンビアによって環境や農業、国民にも害があるとして拒否された。
「ザンビア政府がこの決定をすることで人の消費に安全であることの科学的根拠を無視し、この安全なとうもろこしを受け入れることで人的災害を避けられるという国際救援団体、世界の国々、欧州委員会の助言を拒んでいる。」とアメリカの声明は続いた。
GM食品は、アメリカとカナダ以外では禁止されているものの、南部アフリカの極度の旱魃は、これまでGMの反対してきたEU等にも人の消費に危険は無いと言わせた。 食料寄付の75%近くをアメリカに依存する国連機関は、アメリカの見解を全面的支持している。 「ザンビアが決定を翻してUS食糧援助を受けるとなれば、いつでも対応できるようにしておく。」とUS政府声明。
これに対し、環境団体は、「ごり押しの宣伝戦争だ。」とアメリカと国連のレトリックを非難した。 非GMの食糧供給が可能である限り、「自分の意思に反してまでGM穀物を押し付けられるべきではない。」とグリーンピースは声明している。 また「アメリカは、飢えるアフリカを案じてのことか、それとも多国籍業界に代わって販売とイメージの悪さをカバーしようとしているのか。 アフリカに押し付けているのは、他で売れないからであり、余剰穀物を減らすという経済利害があるからであり、非GM穀物の存在を否定することにし、自分の国の利害に反する国の意見や法に対する帝国主義的嫌悪を作り出している。」という。
アメリカは、これを否定して「我々は、壊滅的な食糧不足に直面するアフリカ南部全域の何百万の人々の飢餓を予防するためにあらゆる手段を用い、他の援助者にもそうするよう呼びかけている。」という。
この地域では2003年3月までに100万トン以上の食糧援助が必要で、43万トンがまだ不足している。 アメリカ政府が現在の殆どの食料を援助している。この不足を補うこと、必要な人に届けること特に地方に届けることはとてつもない取り組みが必要で、国際社会が一致協力して努力する必要がある。「状況は、深刻で日々悪化しており他のアフリカにも広がっている、特にアフリカの角へ。飢餓に屈し始めている。時間がない。」とアメリカ政府は言う。