北アメリカの100以上の種苗会社が非遺伝子組換えに転換

 

有機消費者協会

2002年12月18日

訳 河田昌東

ボストン発

 

――小企業が結束して遺伝子組換え食品に対抗

アメリカとカナダに種子を販売している100以上の種子会社が非遺伝子組換え種子の供給を誓約した。

この動きは北アメリカの食糧供給におけるバイテク利用が増大することに対し、個人企業内での反対の先例となった。この連合は責任ある遺伝学協会とHigh Mowing Organic Seedsが創設したもので、安全種子運動と呼ばれる。

今日、その加盟者らは少ないながらも有意義な種子販売を通信販売で行っている。ジョニ―・精選種子会社やチェンジ・オブ・シーズなどのような、種子への自発的な表示とカタログへの記載を通じて数百万人の消費者に広報してきた大手の種子会社もこの誓約に参加している。年間ベースでは、遺伝子組換え種子は全世界で2億エーカー以上栽培されている。合衆国では綿の70%、大豆の74%、コーンの32%が遺伝子組換えである。これらの種子の大半はただ一つの企業、ファーマシア社が所有する種子テクノロジーに由来する。

責任ある遺伝学協会の代表、スジャータ・ビランヴァンの指摘するところによれば、こうした独占状態の増大が小さな農家を圧迫し、自由競争と食品安全を脅かしていると多くの人が感じている。

環境保護庁(EPA)と食品医薬品局(FDA)の強力な規制が無ければ、遺伝子組換え作物は人間の健康と環境に対して取り返しのつかない脅威をもたらすだろう。

  政府は、遺伝子組換え食品の実質的同等性をたてに長期的な健康影響の研究を行おうとしない。しかしながら、そうした新たな食品が突然のアレルギー症状や抗生物質耐性などで消費者に危険をもたらすという証拠はいろいろ出始めている。遺伝非組換え食品の長期的な影響をたどることは、影響があとから現れることや病気の因果関係が多様であることから大変難しいだろう。遺伝子組換え生物を環境に放出することは重要な昆虫や野生生物の多様性を減らし、コントロールできない種間交雑を通じて自然界に脅威となる。

カリフォルニア大学の科学者らが最近2001年11月号のネーチャー誌に発表したように、南メキシコの高高地のような遠いところの野生コーンが遺伝子組換え種ですでに汚染している。植物種の遺伝的多様性が大きく低下する可能性は無視できない。High Mowing Organic Seeds のトム・ステアンズが示唆するように、安全種子運動は消費者に別の選択肢を用意するものだ。この種の運動では数少ないものの一つだ、と彼は言う。この運動がユニークなのは、企業内部の人々が変革の推進力になっていることである。

 ビラヴァンは更に次のように指摘する。そうした努力はGEフリーと表示した製品が単に社会に貢献するだけでなく、有効な市場獲得手段にもなりうるのだ。

 

安全種子運動(the Safe Seed Initiative)に関する追加情報は次に: http://www.gene-watch.org

連絡は Peter Shorett (617) 868-0870.

 

 

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