アメリカ中西部に拡がる狂鹿病(DSE)

変異型狂牛病が五大湖周辺地域に拡散

 

サンドラ・ブレイクスリー 

ニューヨーク・タイムス

2002年8月7日、

訳 山田勝巳

 

アメリカとカナダの野生動物専門家が集まって、慢性消耗病、牛や鹿が犠牲になる変異型の狂牛病BSE(狂鹿病:DSE)を如何に抑止するかを話し合った。 この病気は、コロラドのフォート・コリン付近の薮に覆われた平原にしか見られなかったのが、現在ではカンサス、モンタナ、ネブラスカ、ニューメキシコ、オクラホマ、サウスダコタ、ウィスコンシン、ワイオミング、カナダのサスカチェワン、アルバータ地方の飼育鹿、野生鹿の両方に見られるようになった。

 

ニューメキシコのように一頭の所もあればサスカッチェワンのように捕捉鹿100頭に出ているところもある。 罹患率は、0.002から20%以上で、全体では数万の調査用屠殺鹿の中、数百の鹿が罹患している。

 

「発病しているのは氷山の一角だということは分かっている。」と話すのはフォートコリンズのコロラド野生動物獣医マイケル・ミラー博士。 病気がどうやって拡がっているのか、どうやって抑えるのかはだれも分からないと言う。 多くの専門家は、現在は殆どの州で禁止しているが、かつての捕捉鹿の売買による移動が原因だろうと考えている。

 

ウィスコンシンでは、病気を抑えるために最も多く発病鹿が発見されているマディソン西部地域では、出来るだけ多くの鹿を撃ち殺すようハンターを激励するという強力な手段を取っている。

 

専門家は、慢性消耗病が人に感染するのではないかと懸念しているが、今日の会議ではアメリカで起きているという証拠はないとしたが、州によっては保健担当者が射殺した動物を解体するときには注意するよう勧告している所もある。

 

 

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