アメリカ人の92%がGM表示を求めている
2003年2月25日
ngin bulletin archive
ノーフォーク・ジェネチック・インフォメーション・ネットワーク:UK
訳 河田昌東
ほぼ92%のアメリカ人が遺伝子組換え食品の表示を求めている。必要ないとしている人は1%だけ。その他7%は態度保留。GM作物が安全だと信じているのは25%のみ。GM動物由来の食品が安全だと考えている人はたった17%。
アメリカ人は小規模農家を信頼しているが、企業農業の非ファミリー・ファームを嫌い、また遺伝子組換え食品、外国産食品を信用していない。そして9・11テロは多くの人々を食糧供給の安全性についてナーバスにした。これはノース・カロライナ州立大学の社会学者ロナルド・ウインバレーが行ったグローバル化と我々の食糧供給、生産と安全性に関する公衆の態度に関する調査結果の一部である。 彼は12のアメリカの大学の研究者と共同で調査を行った。その中にはノースカロライナ・A&T大学の農業経済学者ゴッドルリー・エジュメーカーも含まれる。 研究者らは無作為に抽出されたアメリカ人819名を対象とした。彼らは年齢、人種、性別、収入、教育、宗教などの項目について2000年のアメリカのセンサスのデータを使い、メールで意見を聞き、結果がより国を代表するようにした。
「調査は、アメリカ人が食べている食品、我々が住んでいるコミュニテイーと生活の質に対し、グローバリゼーションがどのような影響を与えるか、食糧、農業、環境などについて調べた。我々はまた地域の消費者が心配している問題について広く意見を求めた。」と彼は言う。これまでのところ、ウインバレーによれば、結果はアメリカに住んでいる人々が、食品が世界中から来ていることに懸念を表明し、食糧が国産、国外産を問わず安全な環境下で作られることを望み、安全な状態で作られたことを保証する食品表示にもっとお金を払っても良い、と考えている結果が出ている、という。
ここに予備的な結果のいくつかを紹介する:
回答者のほぼ92%が遺伝子組換え食品の表示を求めている。必要ない、というのは1%だけだ。 他の7%は遺伝子組換え食品への表示に態度を決めていない。回答者の77%は政府の政策が企業農家ではなくファミリー・ファームを優遇すべきだと答えている。53%は大企業よりも中小農家が育てた食物を買いたいと答えた。74%は外国向けの食糧生産を、仮に安くなっても続けるべきだと答えた。74%と76%の人がそれぞれ、自分が買う食品が国内で生産され加工されたものであるかどうかが重大だと答え、68%は外国産よりも国産が高くても良い、と答えた。70%以上が地域で生産された食物は高くても買うと答え、80%は国産の方が外国産より新鮮だと考えている。79%は輸入品よりも国産の食品の方が安全だと考えている。約半数が国産の食品の方が輸入品より栄養豊富で味も良いと答えた。
51%は国産食品の方がコストが安いと受け止めている。
92%は国産肉を食べる。
21%が南アメリカの肉を食べる。
約半数が「南アメリカ産の肉はノー」と答えた。
大多数がイギリスや他のヨーロッパ産の肉を排除した。
14%は英国産の肉を食べる。
10%は他のヨーロッパ産の肉を食べる。
88%は食品の表示に内容を書くことが大事だと答えた。
87%は食品の栄養価が重要だ、と答えた。
回答者たちは自分達がバイオテクノロジーで作られた食品を食べているかどうか知らず、約半数は遺伝子組換え動植物由来の食品の安全性について決めかねていた。
バイテク及び遺伝子組換えにはっきりした態度を示した人々は二つに分かれ、多数派は遺伝子組換え動物製品は安全でない、と考えている。
また、
回答者の半数が新しいバイオテクノロジー技術で作られた食品を食べるかどうかで意見が分かれ、26%は賛成、23%が反対であった。残り51%の人々は態度保留。
47%は遺伝子組換え植物が安全でないかどうか分からない。
28%は、遺伝子組換えは植物を危険にすると答え、25%は安全と信じている。
43%は動物由来の遺伝子組換え食品が危険かどうか分からない。
39%は危険と答えた。17%は安全と答えた。
回答者はアメリカ農業の安全性に関する情報源に注意深くなっている。
自分たちが食べている食品の安全性については、70%が農家を信頼し、57%が大学教授、20%が行政、12%が有名人、11%が企業トップを信じている。
行政、有名人、そして企業トップは事実上回答者の3分の2が信用していない。
連邦の食品関連の三つの役所、農務省(USDA)、食品医薬品局(FDA)、環境保護庁(EPA)は、少なくとも回答者の4分の3が信じるに足る、と見ているようだ。内訳は、(USDA、82%;
FDA、75%; EPA、72%)
食品の安全性について、外国政府を信用しているのはたった13%で、67%は信用していない。これはアメリカ以外の国で生産された肉に対する不信とも一致している。
また、興味深いのは71%が環境に配慮されて生産された食品はもっと高くても買う、と答えたことである。 60%が化学物質を使わずに作られた食品はもっと高くても買う、と答え、81%は良い環境で育てられたものなら高くてもかまわない、と答えた。
回答者の46%は9・11テロのあと我々の食品供給の安全性について多少とも、あるいは深く考えた、と答え、91%はテロについて非常に心配している。
また、85%は食糧供給がテロリストの攻撃対象になる可能性について賛成した。
この大規模な調査「食糧のグローバル化:食糧供給、信頼度、食糧の安全確保、遺伝子組換え、食品表示、環境についてアメリカ人はどう感じているか」の報告書はまもなく次のウエブ・サイトで公開される。
http://sa.ncsu.edu/global-food
また、要約はまもなく Southern Perspectives magazineに掲載される。