アメリカ GM作物推進計画の敗退

ジェフリィ・リーン(ヨハネスブルグ発)

ザ・インディペンダント(UK) 

2002年9月2日

訳 山田勝巳

 

昨夜、第三世界にGM作物を押しつけようとしていたアメリカの計画が、予想に反して地球サミットで挫折した。

 

エチオピアからの強烈な嘆願の後、各国の参加大臣は環境に関する国際条約よりもWTOが優先するという条項(アメリカ提案)をサミットの活動計画に入れることを否決した。

 

これが通っていた場合、WTOがカルタヘナバイオ議定書に優先し、途上国がGMの輸入を拒否する権利が無くなっていた。 WTOでは自由貿易が最優先される。

 

このサミットで殆どの議題の進行を妨げていたアメリカ代表団にショックを与えたこの現状打破は、この未決議案の夜を徹しての交渉で現実となった。

 

日中の交渉では、提案が通ることはほぼ確定的だった。 GMを開放するだけでなく、毒性廃棄物、オゾン層破壊化学物質の貿易と地球温暖化要因となる汚染を管理する国際条約を脅かす危険性があった。

 

元々この提案への反対はノルウェーとスイスから出ていたが、エチオピア代表が反対を唱えると第三世界が反対に回り、それまでEC担当によって受入を余儀なくされていたEUがこれに続いた。 アメリカは孤立状態になった。

 

イギリスの交渉団の一人は今朝、「この提案が却下された瞬間、これ程多くの環境大臣達が抱き合ったのを見たことがない。」と話していた。

 

 

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