アメリカがGMを苦境のアフリカ諸国に押しつけ

 

ノーフォーク・ジェネティック情報ネットワーク (ngin),

Organic Consumers より

グレン・アシュトン

訳 山田勝巳

 

アフリカ南部が飢饉に襲われている中開かれる地球サミットで、GM商品の販売もくろみが激しい議論を呼びそうだ。飢饉に襲われた国への援助の大部分がGM不分別のアメリカからのもので、アメリカは人命が危ないときに考えるべき事ではないと受け入れ国に通告した。 GMが入り込むとアフリカ農業とそのヨーロッパへの輸出が危機に曝される。

アメリカのGMは世界を支配しておりその90%近くがモンサントで占められている。モンサントは、オレンジ剤、ダイオキシン、PCB、DDT、農薬を作る化学企業から、世界第一の遺伝子操作企業にのし上がった。

 

  モンサントは、アフリカでは地位の高い友人が多い。 アフリカでGEを称揚する社交界の広告塔であるフロレンス・ワンブグはモンサントと長い付き合いでありながら、独立のアフリカの声と自称している。 ケレ・レコアペは、前南ア農業省遺伝次官で、実効性がなく曖昧で業界が書いたのではないかと悪評の高い南アGMO法の起草に関わった人だが、現在はモンサントの広報部で雇われている。 モンサントはさらに最近カーニアとセンサコという種子会社2社を買収して地元の食品チェーンを牛耳る足固めをしている。

 

モンサントはアフリカバイオというロビー団体に強い影響力を持ち、レコアペはここの広報としてGEの国際自由貿易を促進し世界がもっとGMを認めるよう呼び掛けている。 アフリカバイオは分裂病気味な性格を持ち業界支援団体としてNGOを名乗り、SANGOCO(南アNGO連合会)にさえメンバーとして参加し、精力的に民主的合意形成を覆そうとしている。

 

押しつけているのはモンサントばかりでなく、GMと非GMの分別が義務づけられたカーギルやアーチャーダニエル・ミッドランドの2大穀物メジャーも関わっている。直接GM研究を支えているのはアメリカ政府で、当然ながらタ−ミネーター特許に関心が強く、これによってアフリカの食糧保障、主権、種子を保存し交換する権利を害し、種子依存を実現しようとしている。

 

これに対抗する手段はあるのか? バンドエイドコンサートで飢えるアフリカのために演奏したボブ・ゲルドフをご存知だろうか。10年前のエチオピアだった。悲惨な干魃の中心地だったのが、ここ7年間は食べるにも保存するにも余剰があり、小さな農家が伝統農法で種を保存し交換しながら蓄えているものだ。 エチオピアは自給と食糧独立に集中した。GMは用いず肥料は限定使用した。低投入農業が健全な保存政策と共に実施された。

 

  GE作物の利用はこれと対極にある。 高い投入コスト、保存できない種子、高額の資金、化学物質大量投入とインフラ整備は飢餓への対応としては狂気の沙汰だ。

ここヨハネスブルグで共存し得ない二つのシステムが激突しようとしている。アフリカが国際資本や資源の食い物にされないようにすることが大きな課題だ。 アフリカは長い間苦しめられてきた。口車に乗せられてインチキなものを掴まされてはいけない。

 

 

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