アレルゲンの転移

 

Allergies to Transgenic Foods

(Nordlee らの研究:(New England Journal of Medicine; March 14, 1996)

 

ブラジルナッツの主なアレルゲンは2Sアルブミンである。

ブラジルナッツのアレルギー患者に対する皮膚テストで、遺伝子組み替えした大豆の抽出物(2Sアルブミンを含む)に反応した。

ブラジルナッツアレルギー患者たちの血清中のIgEは遺伝子組み換え大豆の蛋白質と反応した(抗体・SDSゲル電気泳動法)。

この組み換え大豆は、飼料用大豆の蛋白質の含硫アミノ酸(メチオニン・システイン)含量を増やすために作られた。通常の大豆飼料にシステインを添加すると肥育効果があるので、それまではわざわざこれを添加していた。ブラジルナッツの2Sアルブミンには、メチオニンとシステインが多量に含まれている。しかし、ブラジルナッツはIgE感受性患者に時には死をもたらすほどの強いアレルギーを起こすことが知られている。

Pioneer Hi-Brid 社は飼料用だから人間が食べることはないと判断した。

 

開発会社(Pioneer Hi-Brid社)は全面的に商品化を断念。

 

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