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アフリカは世界のゴミ箱に扱われている

安全性を試験もしていない食糧と種子をアフリカに贈ることは親切ではなくアフリカを更に海外援助に依存させようとする罠である。我々は遺伝子組換え食糧に反対し自分を守らなければならない。

 

ジョン・カマウ

ザ・ネーション(ケニア発02610日)

訳 河田昌東

 

西側メデイアによるムガベ・バッシングのために、重要な問題がはぐらかされ決定が遅らされている。その最たるものは国連がハラレの戦闘で飢餓に陥った人々を援助するために贈った遺伝子組換え食糧をジンバブエが拒否した問題である。西側メデイアによると、食糧援助を拒否して自国の人々を殺そうとしているのはムガベ自身だという。

数千人のジンバブエの人々(その他のアフリカ人)がこの地域一帯を襲った旱魃で飢餓に陥っているのは事実である。しかし、そうした状況を利用して飢餓にあえいでいる人々の上に遺伝子組換え食糧を廃棄しようとするものは、アフリカ人だろうとロシア人だろうと、イギリス人だろうと、誰であれそれは我々の真の敵である。何故ここでそうしたことが起こるのか。

 

多くの遺伝子組換え作物が西側では排除されている。実際、彼らはそれを食べれば何か副作用があるかもしれないことを知ることができるように表示が義務付けられている。そうした国々では人々を啓蒙するために大々的なキャンペーンがはられている。アフリカの我々にはない恩恵である。ならば、何故こうした食糧がアフリカの奥の飢えた社会に与えられるのか? 勿論、誰か「賢い」人々は「食糧は食糧だ」と言うだろう。しかし、我々はたとえ飢えていようともモルモットになることを受け入れることは出来ないのだ。

 

アフリカを罠にかける試み

GM食品について我々が知らないということはその副作用についても何も知らない、ということである。

これはムガベの政府がやってきたことでもある。もし食糧が誠実な態度で提供されるのなら、フランケンシュタインの実験ではなく、真の食糧が提供されるはずである。西側諸国が第3世界の危機を利用してその種の食糧を廃棄しようとしたのはこれが最初の例ではない。南アフリカの「バイオウオッチ」によれば、「アフリカは世界のゴミ箱として扱われている。安全性を試験もしていない食糧と種子をアフリカに贈ることは親切ではなくアフリカを更に海外援助に依存させようとする罠である」

2000年にインドで起こったオリッサ・サイクロンの直後、「援助食糧」の大部分が遺伝子組換えであることを環境活動家達が発見した。それで、インドの科学・技術・生態学研究財団の著名な環境保護者のバンダナ・シヴァ博士は、20世紀のインドで最も強力なサイクロンの被害者をモルモットに使うものだ、とアメリカを非難せざるを得なかった。 シバ博士は、国外にバイテク企業のための市場を作る試みだ、としてアメリカを非難した。1999年から2000年の間に、アメリカのアグリビジネス企業との契約に基づいて、世界食糧計画を含む救援組織にアメリカの国際開発局から贈られた50万トンのコーンとコーン製品の約30%が余剰の備蓄GM穀物であった。 そしてこの食糧は多くのアフリカの国々がGM食品にかんして何も政策を持たないために、一度も安全性試験に出されたことは無かったのである。

最近、農業大臣のボナヤ・ゴダーダは遺伝子組換えが「負の影響」を持つかも知れないことに注目している、と言った。彼は明らかにそうした政策の欠如が我々を危険にさらしていることを理解したあとで「我々はこの技術の認可権限をもつ政策下で働いている」と言った。我々は、我々が食糧援助として何を受け取るのか特に注意しなければならない。何故なら、我々の懐の中には何でも偲びこむことが出来るからである。スーダンでは援助物資の中に廃棄された医薬品が大量に見つかった。その危険な医薬品のいくらかはすでに南スーダンで使われた後だった。

 

イギリスも、BSEが感染した可能性のある数万トンの牛用の廃棄飼料を第三世界に押しつけたことで知られる。彼らはこの飼料をイギリスで使うのは危険過ぎる、と決定したあとでそれらを他国に贈ったのだ。肉骨粉は19883月以降に輸出されたが、この時イギリス政府は屠殺された動物から作られた飼料がイギリスでのBSEの感染源だと推定したのだった。その年の7月にイギリス政府は英国国内での使用を禁止し、1週間後にその危険性をEU各国に正式に通報した。

 

しかし、肉骨粉が世界的に禁止されたのはそれから8年後の19963月になってからであった。廃棄飼料の貨物のほとんどはそれまでに第三世界に送られた。ケニアはその輸入国の1つとして記載されている。これは今日公に知られた事実だ。

 

不正操作された規則とダブルスタンダード

「不正操作された規則とダブルスタンダード」というタイトルで最近出版されたオックスファム報告によれば、もし貿易規則を変えて世界の輸出のシェアの1%をアフリカ、ラテンアメリカ、東アジア、南アジアに増やすことが出来れば、12800万人の人々が飢餓から救い出されることを示している。オックスファムによれば、もしアフリカでそうすれば、アフリカ大陸が援助や怪しげな救援物資として受け取るものの5倍に当たる1000億ドル以上のお金を作り出せる。たった1%の余剰分で我々は自分で食糧を買うことが出来るだろう。しかし、こうしたテーマは貿易政策の中の目立たないところでいつも無視されている。

GM作物について我々は学ばなければならないが、これは工業化された国々による偽善の一部である。彼らは自国の農業に1日当たり105000万ドルもの補助金を出し、その生産物の過剰分は世界の市場に廃棄し、価格下落と地域市場の破壊をもたらしている。 もし、ケニアに小麦が廃棄されたらキッタールの農民達は自分達の農場を放棄し、それから我々はGM食品の輸入をはじめるだろう。

 

我々は今EUの国々が如何にして余剰ミルクでジャマイカ経済を圧迫し、それによって地域の日常経済を破壊し、あるいはアメリカが如何にしてハイチに補助金農業で生産したコメを棄て、数千人の貧乏なコメ農家を離農させているかという物語を読んでいる。もうじきジャマイカの人々は全てのミルクをヨーロッパから輸入し始めることになるだろう。

 

ヨーロッパの消費者達によるGM食品の排除が広がるにつれて、アフリカはそうした余剰穀物が食糧援助として持ち込まれる事から自らを守らなければならない。

 

http://www.nationaudio.com/News/DailyNation/10062002/Comment/Comment1.html

 

 

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