反GMイネ生産者ねっとNo.540
1.04.4.1 農業情報研究所
オーストラリアGMカノーラ大規模実験大幅縮小へ
小麦ボードが「共存実験」を主張
2.04.4.2 農業情報研究所
デンマーク
GM共存ルールを制定
GM作物栽培者には補償基金料金
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04.4.1 農業情報研究所
オーストラリアGMカノーラ大規模実験大幅縮小へ
小麦ボードが「共存実験」を主張
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モンサント社とバイエル社は、オーストラリア・ニュー・サウス・ウェールズ(NSW)州による遺伝子組み換え(GM)カノーラ大規模実験の承認を得るのに失敗した。NSWは、3500haで栽培し、収穫の実験的販売も行うという両社の共同提案を受け入れるオーストラリア唯一の州となると見られていた。この決定は、両社のオーストラリアでの事業拡大の目論見を大きく狂わせることになる。モンサントは、「一番損をするのはNSWの農民と環境だ」と州政府の決定を批難、「非常な失望」を表明した。
州政府の決定は、オーストラリアの小麦輸出に独占的にかかわるオーストラリア小麦ボード(AWB)が3月29日、商業的規模の実験への反対を公式に表明したことを受けたものだ。だが、AWBもGM作物商用栽培を完全に放棄したわけではない。
それは、「穀物産業の前進を確保する重要なステップ」としての「GMカノーラの共存実験支持を再確認」している。GMカノーラ商用栽培がオーストラリア小麦の販売に悪影響を与える可能性を考慮、GMカノーラの直近の商用栽培は支持しないというだけだ。中東や日本はあり得るGM汚染を恐れているから、GMカノーラと非GMカノーラを分離し、顧客に品質を保証できる適切な供給チェーンを開発し、試験し、立
証することが必要だ、産業により開発され、適切な計画案に従う「共存実験」を含むプログラムが不可欠だと言う。また、実験で生産されたカノーラは輸出されることなく、国内で使用されるか、さらなる研究のために使われるという条件で実験を支持すると言う。
従って、州政府は、420haでの三つの小規模実験を認めた。大幅に縮小されたとはいえ、他の州に比べればはるかに大規模な実験だ。マクドナル州農相は、用心深く、段階的に進むが、この技術の潜在能力は否定しないと言っている。決定は、商用栽培開始の時期を遅らせるだけの結果となるかもしれない。
詳しくは
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/gmo/news/04040201.htm
をごらんください。
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04.4.2 農業情報研究所
デンマーク
GM共存ルールを制定
GM作物栽培者には補償基金料金
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デンマーク農相がGM作物と非GM作物の共存のための新たなガイドラインを提出した。GM作物栽培者は、GM作物に作物を汚染された非GM農民に補償するための基金として利用される1ha当たり74デンマーク・クローネ(約1300円)の料金を払わねばならないという。
GM作物を栽培する農民は、栽培を始める前に許可を得なければならない。農民は栽培を許可されたことを証明せねばならず、認可書の提示を要求される。栽培計画は近隣農民に知らせねばならず、要求される隔離距離を守る。しかし、安全ルールに違反した場合にのみ、近隣農民への補償責任を負う。
ただ、デンマーク国民のGM作物への反対は強く、少なくとも5年間は、実際にGM作物が栽培されることはないだろうと見られている。反対が沈静すれば、シュガー及び飼料ビート、ナタネ、トウモロコシの栽培が予想される。
この共存ルールにはドイツ農民が興味を寄せているという。ドイツの閣議は2月、キュナースト農相の共存ルール草案を採択した。だが、ドイツ農民連盟(DBV)は、ルールを守っていても偶然に汚染された近隣農民への補償の責任を負わせるこの共存ルールの下では平和的共存はできないと、農民にGM作物栽培を勧告するのを拒否している。
EUは各国に独自の共存ルールの策定を求めているが、未定の国が大部分である。
詳しくは
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/gmo/news/04040202.htm
をご覧下さい。